■ビジネス・ブレークスルー<2464>の今後の見通し
2. 主力事業の見通し
(1) マネジメント教育サービス事業
マネジメント教育サービス事業の売上高は前期比で若干減少する可能性がある。法人向け教育サービスは下期も引き続き拡大するが、BBT大学の生徒数減少と、オープンカレッジで複数のプログラムのリニューアルが行われており、再開までの間、一時的に受講受付を停止していることが影響する。ただ、利益面では広告宣伝費の減少や業務効率の改善効果等により増益となる見通しだ。
法人向け教育サービスについては、企業におけるグローバル人材やマネジメントリーダー育成のための教育研修ニーズが旺盛なことから、これらニーズを取り込むべく営業人員を増員していく方針で、既存顧客の売上深耕と新規顧客の開拓を進めていく。同社では既存法人顧客のうち上位20社で法人向け教育サービスの売上高の半分弱を占めている。上位20社の1社当たり平均売上高は20~25百万円だが、中長期的に同規模の案件数を増やしていくことを目標としている。
一方、BBT大学については、生徒数をいかに拡大していくかが課題となっている。2017年春期の入学生の落ち込みが響き、通年度の新入生は約150名と前年度の209名から2割強の減少になったと見られる。ここ数年は年間200~250名ペースで入学生が推移していたことから、当年度の落ち込みによって2019年3月期以降の売上高への影響が想定される。生徒数の減少は他大学との競争もあるが、同時に広告施策が十分でなかったことも一因と見られる。このため、同社では広告施策の見直しを進めることで生徒数を回復していく考えだ。具体的には、オンライン大学に関心のあるターゲットに対して、イベント開催などの効果的な広告施策の取り組みを始めている。秋期の生徒募集では広告費を前年に比して大幅に削減したが、入学生は前年並みを確保しており、1生徒獲得当たりの広告コストは改善している。今後は、こうした効果的な広告施策をより多く実施していくことで生徒数を回復していく考えだ。また、利益面ではプログラム数の見直しを進めている。プログラム数の絞込みにより業務効率を改善し、新規入学生が150名程度でも利益の出せる体制を早期に構築していく方針となっている。
また、BBT大学大学院に関しては生徒数が堅調に推移するなかで、グローバル人材の育成に向け多様なニーズに応えるため、2018年春からボンド大学−BBT(MBAプログラム)において、英語のみでMBAの学位が修得できるオールイングリッシュコースを共同で新規開講する予定となっている。社会人の学び直しやグローバル人材の育成ニーズが高まるなかで、BBT大学大学院については今後も堅調な推移が見込まれる。
(2) プラットフォームサービス事業
プラットフォームサービス事業の売上高は前期比2ケタ増収増益と好調を持続する見通しだ。前述したように「A-JIS」の新年度スクールイヤーにおいて、生徒数が前年を上回る水準でスタートしたほか、前期に新設した「アオバジャパン・バイリンガルプリスクール」(早稲田キャンパス、芝浦キャンパス)の生徒数も順調に増加しているためだ。ただ、下期は2018年4月に新規開設する「アオバジャパン・バイリンガルプリスクール 三鷹キャンパス」に関する開設費用約40百万円を計上するため、利益水準は上期比で若干落ち込む可能性がある。
また、2019年3月期についても見通しは明るく、増収増益が続く可能性が高いと弊社では見ている。プリスクールの早稲田キャンパスや芝浦キャンパスでは、現在の申し込み状況からすると2018年春にほぼ定員数に達することが見込まれているほか、2018年4月には「アオバジャパン・バイリンガルプリスクール 三鷹キャンパス」の開設による生徒数の増加が見込まれるためだ。三鷹市も教育熱心な家庭が多いエリアであり、既に申込受付状況は当初計画のとおりの滑り出しと見ており、初年度から収益貢献が期待される。なお、教員体制については14~16名となるが、ほぼ採用の目処はついたようだ。アオバジャパン・バイリンガルプリスクールの認知度が向上しており、採用も以前よりもスムーズになってきているという。さらに、既存拠点において需要が旺盛なエリアがあることから、同エリア内にキャンパス(定員数50~60名)の増設も検討している。
また、「A-JIS」のメインキャンパスである光が丘キャンパスについても生徒数が年々増加し、あと2~3年後には収容定員に達することが予想されることから、第2キャンパスとなる拠点増設の構想段階にある。プリスクールは1校当たり50~100百万円程度の投資となるが、「A-JIS」については収容能力が数百名規模になることも予想されることから、投資額も相応に大きくなることが予想される。
なお、IBの認定取得については「A-JIS」が既にフルラインで取得しているほか、「JCQバイリンガル幼児園 晴海キャンパス」と「アオバジャパン・バイリンガルプリスクール 芝浦キャンパス」がPYPを取得しており、2018年5月には「サマーヒルインターナショナルスクール」、同年10月までには「アオバジャパン・バイリンガルプリスクール 早稲田キャンパス」もPYPを取得できるよう取り組んでいる。国際バカロレアの教育方針は、アクティブラーニングや探究型学習といった主体的な学びを基本としており、2020年から実施される教育制度改革でも重点ポイントとして挙げられている。特に、英会話能力についてはより一層重視されることとなり、同社が展開するバイリンガルプリスクールへの関心も今後さらに高まっていくものと予想される。
同社では今後も年1~2校ペースでプリスクールを山手線内やその周辺で開設し、10数校まで拡大していく計画となっており、国際バカロレア認定取得で「アジアNo.1のインターナショナルスクール」を目指している。なお、プリスクール等の開設に当たっては独自開設のほかM&Aの活用など全方位で検討することによって、スムーズに展開していく方針となっている。弊社では同社の構想が予定どおり進めば、拠点展開による売上規模だけで前期実績の16億円から40億円程度まで成長する可能性があると見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2. 主力事業の見通し
(1) マネジメント教育サービス事業
マネジメント教育サービス事業の売上高は前期比で若干減少する可能性がある。法人向け教育サービスは下期も引き続き拡大するが、BBT大学の生徒数減少と、オープンカレッジで複数のプログラムのリニューアルが行われており、再開までの間、一時的に受講受付を停止していることが影響する。ただ、利益面では広告宣伝費の減少や業務効率の改善効果等により増益となる見通しだ。
法人向け教育サービスについては、企業におけるグローバル人材やマネジメントリーダー育成のための教育研修ニーズが旺盛なことから、これらニーズを取り込むべく営業人員を増員していく方針で、既存顧客の売上深耕と新規顧客の開拓を進めていく。同社では既存法人顧客のうち上位20社で法人向け教育サービスの売上高の半分弱を占めている。上位20社の1社当たり平均売上高は20~25百万円だが、中長期的に同規模の案件数を増やしていくことを目標としている。
一方、BBT大学については、生徒数をいかに拡大していくかが課題となっている。2017年春期の入学生の落ち込みが響き、通年度の新入生は約150名と前年度の209名から2割強の減少になったと見られる。ここ数年は年間200~250名ペースで入学生が推移していたことから、当年度の落ち込みによって2019年3月期以降の売上高への影響が想定される。生徒数の減少は他大学との競争もあるが、同時に広告施策が十分でなかったことも一因と見られる。このため、同社では広告施策の見直しを進めることで生徒数を回復していく考えだ。具体的には、オンライン大学に関心のあるターゲットに対して、イベント開催などの効果的な広告施策の取り組みを始めている。秋期の生徒募集では広告費を前年に比して大幅に削減したが、入学生は前年並みを確保しており、1生徒獲得当たりの広告コストは改善している。今後は、こうした効果的な広告施策をより多く実施していくことで生徒数を回復していく考えだ。また、利益面ではプログラム数の見直しを進めている。プログラム数の絞込みにより業務効率を改善し、新規入学生が150名程度でも利益の出せる体制を早期に構築していく方針となっている。
また、BBT大学大学院に関しては生徒数が堅調に推移するなかで、グローバル人材の育成に向け多様なニーズに応えるため、2018年春からボンド大学−BBT(MBAプログラム)において、英語のみでMBAの学位が修得できるオールイングリッシュコースを共同で新規開講する予定となっている。社会人の学び直しやグローバル人材の育成ニーズが高まるなかで、BBT大学大学院については今後も堅調な推移が見込まれる。
(2) プラットフォームサービス事業
プラットフォームサービス事業の売上高は前期比2ケタ増収増益と好調を持続する見通しだ。前述したように「A-JIS」の新年度スクールイヤーにおいて、生徒数が前年を上回る水準でスタートしたほか、前期に新設した「アオバジャパン・バイリンガルプリスクール」(早稲田キャンパス、芝浦キャンパス)の生徒数も順調に増加しているためだ。ただ、下期は2018年4月に新規開設する「アオバジャパン・バイリンガルプリスクール 三鷹キャンパス」に関する開設費用約40百万円を計上するため、利益水準は上期比で若干落ち込む可能性がある。
また、2019年3月期についても見通しは明るく、増収増益が続く可能性が高いと弊社では見ている。プリスクールの早稲田キャンパスや芝浦キャンパスでは、現在の申し込み状況からすると2018年春にほぼ定員数に達することが見込まれているほか、2018年4月には「アオバジャパン・バイリンガルプリスクール 三鷹キャンパス」の開設による生徒数の増加が見込まれるためだ。三鷹市も教育熱心な家庭が多いエリアであり、既に申込受付状況は当初計画のとおりの滑り出しと見ており、初年度から収益貢献が期待される。なお、教員体制については14~16名となるが、ほぼ採用の目処はついたようだ。アオバジャパン・バイリンガルプリスクールの認知度が向上しており、採用も以前よりもスムーズになってきているという。さらに、既存拠点において需要が旺盛なエリアがあることから、同エリア内にキャンパス(定員数50~60名)の増設も検討している。
また、「A-JIS」のメインキャンパスである光が丘キャンパスについても生徒数が年々増加し、あと2~3年後には収容定員に達することが予想されることから、第2キャンパスとなる拠点増設の構想段階にある。プリスクールは1校当たり50~100百万円程度の投資となるが、「A-JIS」については収容能力が数百名規模になることも予想されることから、投資額も相応に大きくなることが予想される。
なお、IBの認定取得については「A-JIS」が既にフルラインで取得しているほか、「JCQバイリンガル幼児園 晴海キャンパス」と「アオバジャパン・バイリンガルプリスクール 芝浦キャンパス」がPYPを取得しており、2018年5月には「サマーヒルインターナショナルスクール」、同年10月までには「アオバジャパン・バイリンガルプリスクール 早稲田キャンパス」もPYPを取得できるよう取り組んでいる。国際バカロレアの教育方針は、アクティブラーニングや探究型学習といった主体的な学びを基本としており、2020年から実施される教育制度改革でも重点ポイントとして挙げられている。特に、英会話能力についてはより一層重視されることとなり、同社が展開するバイリンガルプリスクールへの関心も今後さらに高まっていくものと予想される。
同社では今後も年1~2校ペースでプリスクールを山手線内やその周辺で開設し、10数校まで拡大していく計画となっており、国際バカロレア認定取得で「アジアNo.1のインターナショナルスクール」を目指している。なお、プリスクール等の開設に当たっては独自開設のほかM&Aの活用など全方位で検討することによって、スムーズに展開していく方針となっている。弊社では同社の構想が予定どおり進めば、拠点展開による売上規模だけで前期実績の16億円から40億円程度まで成長する可能性があると見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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