荒れる3月相場!? C波襲来に要警戒!

著者:津田隆光
投稿:2018/03/02 13:31

エリオット波動理論

NYダウ(現物)・日足チャート形状が、伝統的なテクニカル分析手法の一つであるエリオット波動理論における「下降(修正)3波」とも取れるパターン形成をしています。まずは、以下、エリオット波動理論の基本形についてご覧ください。
 上図からも分かる通り、エリオット波動理論における基本波動は「8波」で形成されており、その内訳は【推進(上昇)5波】と【修正(下降)3波】となっています。

この「8波」サイクルの中で最も強烈な“破壊的フロー”とされる衝撃波は「C波」であり、その「C波」終盤における投資家の心理状態は“総弱気”となっていることから、最終波動である「C波」のタームを【ミンスキー・モーメント】※と呼ぶことがあります。(※マーケット全般にわたって、優良資産も含めて「投げ売り」や「狼狽売り」が発生するとされるタームのこと。)

NYダウチャート分析

上記を踏まえた上で、以下、NYダウ(現物)日足チャートをご覧ください。
上図チャートにおいて、1月後半に付けた高値(上図赤色三角印)を仮に、上昇5波の「第5波」と仮定すると、1月後半から2月前半にかけてのタームを「A波」、そして、2月前半から後半にかけてのタームを「B波」と見なすことができます。

これらの仮説を前提とするならば、これからのタームは「B波」の押し目段階なのか、或いは「C波」形成の時間帯になるのかの見極めが重要となります。その見極めのための材料の一つが、3/4に実施されるイタリア総選挙ならびにドイツSPD党員投票結果なのかもしれません。いずれにしても、3月相場におけるマーケット環境が大きく変動する可能性については、予防の必要性も含めて認識しておくべきでしょう。

一方で、エリオット波動についてはタームの捉え方に様々な見方があること、また、波動のエクステンション(延長)やフェイラー(失敗)と呼ばれる、いわゆる「見間違い」「後講釈」も比較的多く見受けられることから、固定観念を基に定型パターンと捉えてしまうのはリスキーであることも忘れるべきではありません。

あくまでも伝統的なテクニカル分析の一手法として、ご参考程度に見ていただければ幸いです。
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津田隆光
マネースクエア チーフマーケットアドバイザー
配信元: 達人の予想