底値から900円超の戻しになりましたので

著者:斉藤紀彦
投稿:2018/02/16 16:33

最低限のリバウンドはしました

小高く始まったあとも上げ幅を広げる展開となって終始堅調に推移しましたが、その中身は薄商いのなかを買い戻しが中心となってリバウンドした印象です。

日米ともにVIX指数が低下したため、上昇中の相場変動リスクを嫌って売りを進めた投資家が売り過ぎた分の買い戻しを進めたことで、円高進行にもかかわず上昇したということだと思います。

東証1部の売買代金は2兆7149億円と1月29日以来の薄商いで終わり、騰落銘柄数は値上がり1708銘柄、値下がり298銘柄、日経225採用銘柄では値上がり183銘柄、値下がり39銘柄となっており、ともに前引け時点よりも値上がり銘柄数は減少しましたが、日経平均自体は前引けの21699円よりも小幅に上昇して21720円で終わっています。

日経ジャスダック平均、東証マザーズ指数もともに続伸しました。

これで14日の安値20950円からきょうの高値21866円まで900円超のリバウンドをしたことになります。

売られ過ぎた部分の修正はだいぶ進みましたので、これからは円高による影響を織り込みにいくことになるかもしれません。

テクニカル指標も中立圏まで戻したものが目立ち始め、日経平均の予想PERも大引け試算値では約13.29倍まで回復し、極端な割安感は無くなりました。

さらに円高が進めば企業の業績見通しが引き下げられますので、予想PER自体は高くなりますから割安感が後退するかもしれません。

日経平均の株価チャートは200日線を下支えにリバウンド入りし、1月22日・23日以来となる日足の連続陽線(始値よりも終値が高いこと)になっていますが、すでに底値から約4.4%の戻しをしているわけですから、下で買った部分は利益確定売りでいいと思います。

日銀短観で示された大企業製造業の想定為替レートは110円18銭でしたので、そこからははるかに円高水準であることが今後の重しになってくる可能性は考えておく必要があるでしょう。

まだ大きなイメージとしては下がったら買いですので、新規に売っていくという段階ではないと思いますが、急速に戻したことによる反動も少しずつ意識した方がいいかもしれません。

とくに注意すべきはドル円相場でしょう。
斉藤紀彦
ザイナスパートナー株式会社 代表取締役社長
配信元: 達人の予想