日経平均:次期FRB議長パウエル理事の講演と米11月ISM(11月28日)

著者:山口哲也
投稿:2017/11/28 11:05

【NYダウは高止まり、日経平均は保ち合い】

先週の日経平均は22,550.85まで値を戻しました。東京金融取引所のくりっく株365、日経225証拠金取引も先週は22,672円まで反発。
NYダウが高値トライとなる中で、日経平均は11月6日-10日週に23,382円台まで上昇したものの、総じて22,000円から23,000円のレンジで保ち合いとなっています。

今週はパウエル理事の議会証言とISM製造業景況指数に注目です。
まず、11月28日24時より、次期FRB議長のパウエル理事の議会公聴会では
「自身のリーダーシップの下で、金融当局が政策金利の引き上げを継続し、バランスシートを縮小すると予想している」
「規制の負担を緩和する適切な方法を引き続き検討する」
と発言する模様ですが、金融政策についてはこれまでのFEDの路線からはほぼ変わらず、また、規制については緩和的な路線に変化という印象があります。

また、29日には米3QGDP(改定値)の発表があり、前回の速報値3.0%に対し、市場予想は3.2%と上方修正が予想されています。
今週末12月1日には、米11月ISM製造業景況指数(前回:58.7、市場予想:58.3)に注目しています。ISM製造業景況指数は製造業者の購買・供給担当者に対し前月に比べて生産・新規受注・雇用などの項目について前月比で改善したか、悪化したかを調査したもので、好況か不況かの分岐点は50となります。

【日経225(くりっく株365)週足チャート】

NKY225(TFX)週足
日経225(くりっく株365)の週足チャートです。
各移動平均線が上向きで相場はその上側での推移となっており、上昇トレンドの継続と読み取れますがストキャスティクスが下降気味で、MACDも高止まりしていることから、当面はスピード調整が続く可能性があります。
米国のクリスマス商戦は好調な出だしで、今週発表される米国の経済指標の結果次第によっては米国株主導で日本株も上昇が考えられます。

【日経225(くりっく株365)日足チャート】

NKY225(TFX)日足
日経225(くりっく株365)の日足チャートです。
200日移動平均線、一目均衡表の雲と基準線は上向きとなるものの、転換線は基準線を下回っており、これまでの上昇に対する調整局面と考えられます。
なお、チャート形状からは11月9日の高値23,466円と11月15日の21,839円を頂点としたトライアングルを形成していると考えられます。
トライアングル形成後の相場は一般的にトライアングル形成前のトレンドに回帰することが多く、今後の日経平均は22,800円前後にあるレジスタンスを上回ってくると予想します。
日足チャートにおけるチャートポイントは、基準線22,530円、転換線22,360円でこれを下回る場合は、22,000程度までの下落を、レジスタンスとして意識される22,800円を上回る場合は、23,000円を目指す展開を予想します。
山口哲也
フジトミ証券株式会社 チーフ・テクニカルアナリスト
配信元: 達人の予想