円高と大幅上昇の反動で一服の想定 今回の2万円台突破の傾向とは? 

著者:市原義明
投稿:2017/06/03 15:04

◆コア30指数は昨年末の高値を更新できていない

週明け5日(月)の日経平均は、米国雇用統計後の円高と大幅上昇の反動で一服の想定です。

週末(2日)の米国株式市場は、主要3指数がそろって連日の高値更新になりました。

ただし、5月雇用統計で非農業部門雇用者数が事前予想の18.5万人増を大きく下回る13.8万人増だったため、長期債利回りが約7ヶ月ぶりの低水準となり、ドル売りの流れになりました。

週末の海外市場を織り込んだシカゴ日経先物は、20200円台に乗せる場面はあったものの雇用統計後の円高で伸び悩み、-5円の20165円でほぼ横ばいで終わりました。
週明けの日経平均は、先週末の2日で500円以上の大幅高になっていますし、円高が重しになりそうなため、上昇一服になりそうです。

ただし、1年9ヶ月ぶりに2万円台を回復直後ですから、先高期待の買いも入りやすく、底堅い展開になるのではないかと思われます。

一方、今回の2万円台回復は、2015年の2万円台とは傾向がかなり違っているようです。なぜなら、規模別のコア30指数(超大型株の指数)と大型株指数が高値を更新できていないためです。

日経平均は2015年12月以来の2万円台回復で、TOPIXも同時期の1600ポイントを回復しています。

しかしながら、規模別大型株指数は先週末の上昇でやっと年初来高値を更新したばかり、コア30指数は未だに昨年末の高値を超えることが出来ていません。

これらの傾向から、今回の2万円台突破を牽引したのが主力大型株ではないのが特徴的です。円高でもEPSが増加したため、輸出関連株の上昇が弱くてても水準を切り上げてきたと考えられます。

したがって、円安が進めば出遅れている輸出関連株が日経平均を押し上げる可能性があるので、アベノミクス後の高値を更新する可能性は十分に考えられそうです。

しかしながら、現在の円高水準で輸出関連株が出遅れ物色の範囲の上昇だと、日経平均がどんどん上がっていくような強い相場展開ではなく、2万円台の値固めに移行するのではないかと思われます。

来週の相場は、出遅れている大型株の動きが注目されそうです。
市原義明
株式会社ストックゲート 執行役員兼営業部長
配信元: 達人の予想