大幅上昇の反動は考えられるが、押し目買い意欲の回復で底堅い展開になりそう

著者:市原義明
投稿:2017/04/25 19:07

◆半値戻しをあっさりクリアし、下降トレンド入りの警戒感が後退した

26日(水)の日経平均は、大幅上昇の反動は考えられるものの、押し目買いに支えられて底堅い想定です。

25日(火)の日経平均は、北朝鮮情勢が警戒されたものの、挑発行為が見られずに買い優勢の展開になりました。日経平均は3日続伸で節目の19000円台を回復しました。

19000円台を回復したことも心理的に大きいと考えられますが、半値戻し水準の18940円をあっさりクリアできたので、下降トレンド入りの警戒感は大きく後退したと考えられます。

また、明日の相場が大きく下落しなければ、5日線と25日線がゴールデンクロスを達成する可能性もあります。仮に達成すると、3月23日にデッドクロスして以来、1ヶ月ぶりの傾向の変化になるため、押し目買い意欲につながるのではないかと思われます。

しかしながら、日経平均が3日で600円以上の大幅上昇になったわりには、円安が付いてきていませんし、これから主力企業の決算発表が本格化するため、一段高するには手がかり不足の印象です。

したがって、明日は戻り売りや利益確定売りと押し目買いが交錯し、底堅い展開になる想定です。

参考までに、『半値戻しは全値戻し』という相場格言があって、この格言には2つの意味があるとされています。

1つ目は、大きく下がってから半値も戻ったのであれば、全値戻ったと思って欲張らずに手仕舞いなさい、2つ目は、半値も戻る勢いがあれば、下がった分の全値を戻すだろうといいう意味です。

表裏一体でどっちつかずなのですが、下降トレンドは下げの波動よりも上げの波動が小さい動きが続いて、高値と安値を切り下げることなので、上げの波動の大きさがトレンドが続くかどうかの分岐点であるといえます。

日経平均は、半値戻しを早くに達成したので、下げの波動に比べて戻りが良かったと考えられるため、目先の下降トレンドは回避できた可能性が高いと考えられます。

もっとも、横ばい相場に戻った可能性もあるため、半値戻しを達成したから強い転換ともいいにくいと思われます。

しかしながら、上昇が鈍いときは戻ったら売りたいと考えていた投資家も、上昇が大きくなると売りたくなくなり、下がったら買いたくなるのが投資家心理だと思われます。
市原義明
株式会社ストックゲート 執行役員兼営業部長
配信元: 達人の予想