年初来安値を割り込む急落でも売買代金は膨らまず、見送り姿勢が続いている

著者:市原義明
投稿:2017/04/12 19:53

◆大きな変化が出るまで慎重姿勢が続きそう

13日(木)の日経平均は、急落した反動の可能性が考えられるものの、見送りムードが強い想定です。

12日(水)は1ドル=110円台を割り込んだ円高と地政学リスクがくすぶって、大幅続落になりました。

日経平均の下げ幅は200円程度に留まっているのですが、新興市場などの中小型株の下げ幅が大きく、日経平均の下げ幅以上に急落した印象でした。

今日の全面安で騰落レシオは再び80%を割り込み(76.27%)、今年最低水準を更新しました。

ただし、騰落レシオは底値圏に近い数字になっているのですが、東証1部の売買代金は2兆2千億円台で目立った増加は見られませんでした。

今週に入って2兆円割れが続いたあとなので増えてはいるのですが、絶対数が少ないため、リバウンド狙いよりも様子見姿勢の方が強くなっていると考えられます。

今週に入ってから売買代金の低調さが目立っているのは、新規の買いが見送られ、買い方の見切り売りと売り方の買戻しが交錯している状況になっているのだと思われます。

今日の相場で買い方の見切り売りが増えて売買代金が増加したと考えると、明日は急落の反動が優勢になりそうなのですが、円高や海外株式市場が落ち着いていることが前提だと思われます。

仮に海外株安や円高が一服しても、積極的な買いは見送られてしまいそうなので、小幅上昇程度で売買代金も閑散になるのだと思われます。

反対に海外市場の下落や円高が進んでしまうと、さらに下落してしまう可能性も想定されます。

神経質な展開で難しい局面なのですが、株式市場の基調に変化が出るまでは慎重にならざるを得ないと思われます。

市原義明
株式会社ストックゲート 執行役員兼営業部長
配信元: 達人の予想