債務超過の無間地獄に陥る可能性も・・・
先週末は長い上ひげが出現し、上値の重さを示している。「戻りいっぱい」といった感じとなっており、かなりリバウンド余地が小さくなっている。半導体事業を売却することで、約1兆円を調達。これで将来的に債務超過を回避するつもりだが、実際にはそんなに甘くはないだろう。まず、買い手が値切ってくること。シャープ(6753)のときの鴻海のように、「兵糧攻め」で買収価格を下げてくるはずだ。競争相手が複数いれば別だが、時間が経過すればするほど、東芝にとって不利な状況となる。最終的に「持ち株の大半を放出」という事態になりかねず、その辺はうまく交渉を進めていく必要がある。もうひとつの問題は、追加損失の発生だ。米ウエスチングハウスに破産法を適用し、損失処理してしまう選択肢もあるらしいが、昨今では中国事業での遅れも指摘されている。仮に銀行への建前上、債務超過を回避したところで、会計処理の厳格化などによって、新たに損失が発生する可能性は否定できない。その場合は「債務超過の無間地獄」に陥ることになり、最終的には政府が介入せざるを得なくなる。大量の株式発行によって株式価値が希薄化する可能性があり、その救済スキームの全貌が見えてくるまでは、株価に売り圧力が掛かりやすいと考えたい。