市場は更に「トランプリスク」を懸念、日足(平均足)の実体部を下回って推移  トレードタイム

著者:平野朋之
投稿:2017/01/31 11:32

■やはり112円ミドルがカギ

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■昨日は、トランプ大統領の保護主義強化に対する警戒感が強まる中、欧米株式市場の下落が投資家心理を低下させ、リスク回避の円買いが優勢の展開となりました。
また、難民やイスラム圏の入国一時禁止が各国に影響が出始めていることで、米正解でも政情不安が台頭しています。


■これまでトランプ大統領が就任して10日余り、物凄いスピードで意図も簡単に大統領令を発動してきました。
異例であることは間違いなく、そのスピードに各国が対応できていないという現状もあります。
少なくても、「スピード実行=政権公約実行=期待」と今まではなっていました。それがゆえに相場もそれなりにリスク志向になっていました。
しかし、「入国禁止決定」には、待ったがかかり、デモや抗議の動きが拡大していることで、リスク回避に傾きやすくなっています。


■昨年までは、「トランプ期待」ということで、リスク選好的な相場展開でした。しかし、今年に入りトランプ大統領に影やリスクといった負の面が、ようやく国や経済、そして企業にまで注目されてきたという印象です。

日米金利差は多少あるものの、米国の実質金利からすればこのドル高等を考慮すれば、それほど大きな金利差があるとも思えません・・。今後FRBが目指す完全雇用と物価上昇にもトランプ大統領の発言次第では水を差しかねない可能性もあります。

この相場はその経済指標を既に織り込まれており、これ以上良くなるには、市場が期待している以上のものを出す必要があります。


■4年間というとても短いスパンで結果を残さなくてはいけないという使命感が、更に市場を混乱させる可能性もあり、その意味ではこれからが本当の意味での「トランプリスク」に発展する可能性もあると、いう見方を持ちつつ相場をみていく必要があります。



■最後にドル円です。

一昨日のレンジ上限の上髭陽線、昨日の大陰線となっており、後味が悪い展開となっています。ドルが重い展開と世界的にリスク回避の円買いが重なっています。それがゆえに、次のトランプ発言では直近安値112.50を下抜く可能性もありそうです。


・ブレイクダウン狙いの112.50円の逆指値の売り
・戻り待ちの114.00円での売り
平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想