来月の訪日へ向け、ロシア関連に物色続くか。

著者:本村健
投稿:2016/11/20 12:34

◆「相場の神様」が日本株を買った。

日経平均も強いが、為替の強さには驚かされる。

僅か一週間で、10円近くの円安。上昇ピッチの早さにさすがに投資家もついていけず、為替トレーダーの知人から泣きの電話がかかって来るほどだ。

トランプ効果なのか、利上げへ向けた動きなのかは定かではないが、今年マーケットを下げていた「主因」が解消されるのは日本株にとってはプラス。

日経平均のPERは、18000円台を回復してようやく15倍ほど。これはあくまで企業の想定為替レートが100~105円での話。円の現状で考えれば、日本株の割安感に目を付ける投資家も増えてくるだろう。

先日、日経新聞で取り上げられていたが、米国の著名投資家で“相場の神様”として知られる「ジョージ・ソロス氏」の率いるソロス・ファンド・マネージメントが7~9月にかけて、日本株に投資する(ETF)を341万ドル(約37億円)購入していた事が明らかになった。

世界3大投資家の一人で、波乱相場でも収益を上げる手法で知られるソロス氏。

先見の明を持つ彼ならではの投資姿勢。米国の利上げという大前提が存在する中では、多少の変動があったとしても長期的な目線での円安シナリオは崩れていないのだろう、わたしも見習いたいものだ。


◆来月の訪日へ向けて物色続くか、「ロシア関連株」。

今週の日本株は、政策に対する期待と思惑から買われた「トランプ相場」。

金融規制強化の流れが変わるとの見方から米国の金融株が買われ、日本にも波及。(8306)三菱UFJは9日の終値(501円)から、高値を付けた691円まで実に38%もの上昇。このメガバンクの急騰劇には度肝を抜かれた。

新興市場にもポジティブな流れが波及し、東証マザーズ指数が強く推移。値上がり率ランキング上位にもマザーズ銘柄が目立つようになった。

マザーズ指数に至っては、4月に高値を付けていた為、信用の期日売りも一巡。上値余地は大きいと見ている。

今年物色されていたマザーズ銘柄の再エントリーというのも面白いかもしれない。

個別では、前回も取り上げていた「ロシア関連株」に注目。

来月のロシアのプーチン大統領の訪日へ向け、報道マスコミも、視聴者がお腹いっぱいになって来ている「トランプ氏」から「北方領土問題」に話題を変えてくる頃だと思われる。

完全に仕手化していた(9380)東海運(4616)川上塗料の2社に、今週も注目したい。


★個人的に気になる銘柄

(5199)不二ラッテックス

今週は、不二ラッテックスに注目したい。

同社は、「医療機器等のゴム製品の製造・販売」を行い「コンドーム大手」の会社。

過去のコラムで紹介した競合の(5194)相模ゴム工業は、1000円の大台を目指し足元で上昇基調を強めている。

価格競争が厳しい中で、同社はインターネット販売に力を入れている。海外での販売を目を向け、医療製品も伸び中国や東南アジアでの販売は好調。

株価に目を向けると、年初来高値は345円。現在の株価は年初来安値(233円)水準にあり、PERも10倍以下で割安も十分。
1日の出来高が少ないため株数には注意が必要だが、中長期の投資スタンスで考えると妙味があると言えよう。

本村
本村健
株式会社SQIジャパン 金融コンサルタント
配信元: 達人の予想