クリントン候補勝利でもその余韻は長続きせず?!

著者:比嘉洋
投稿:2016/11/08 18:22

気になるトルコリラの動向

昨日朝のFBI「クリントン氏の訴追を求めない方針維持」報道を受け、混迷を深めていた大統領選挙もクリントン候補優勢で投票日を迎えることになりそうです。
フロリダ・ジョージア州などといった大票田でどこまでトランプ候補が巻き返せるのかがポイントとなっていますが、かなり状況は厳しそうです。

では、このままクリントン候補勝利となれば、再度ドル買い・株高に向かうのでしょうか?一時的には投資家の安ど感からそうなる可能性は高いと思いますが、その勢いは長続きしないというのが私の見立てです。

ご存知の通り、今回の大統領選挙ほど、泥仕合となったものはありません。消去法的にクリントン候補が選ばれるにすぎません。メール問題が終了したとしても、「クリントン財団」の調査についても報じられています。
仮にすんなりとクリントン候補が次期大統領に選出されたとしても、「レームダック大統領」となる可能性があり、ドル買い・株高の動きも続かないと考えているわけです。

加えてもう一つ気になるのは、議会選挙。
上下両院で共和党が過半数を握ると、「何も決められない」ねじれ状況が続き、次第にじり安の展開に向かうことも想定されます。トランプリスクは回避されますが、その後、クリントン丸も順風満帆の船出は難しいものになりそうです。

大統領選だけに目が向けられていますが、個人的には、トルコリラの動向も気になっております。ここにきてエルドアン大統領の強権ぶりが顕著なっており、それを嫌気してトルコリラ売り・株売りが進んでいます。

昨日については、トルコリラ/円はやや値を戻しています(トルコリラ/円は11/4に最安値を更新)が、上ヒゲ陽線。
ドル/トルコリラではドル買いに伴い、トルコリラは最安値を更新しています。

米大統領選でドル買いが持ち込まれることで、トルコリラ/円にも下値を試す動きが波及することが想定されます。
比嘉洋
マネースクエア シニアコンサルタント
配信元: 達人の予想