短期上昇トレンド継続も、過熱感から一服を想定

著者:市原義明
投稿:2016/10/25 18:47

◆決算発表待ちのムードが続きそう

26日(水)の日経平均は、上昇一服で横ばいを想定します。

25日(火)の日経平均は1ドル=104円台中盤まで進んだ円安が支えになって続伸しました。

日経平均はきれいな上昇トレンド型を保っているため、次のターゲットである4月高値の17613円や心理的な節目である17500円を目処に5日線に沿った短期上昇が続きそうです。

しかし、5日線の角度が急になり始めていますから、26日も続伸すると高値警戒感が強くなりそうです。

また、本日(25日)の東証1部騰落レシオは146.57まで上昇しており、今年最高を更新するとともに過熱感がある数字になっています。

短期的な過熱感がうかがえるため、上昇一服の想定です。

ただし、騰落レシオは日経平均の安値と騰落レシオのボトムで数字が合うことが多いのですが、上昇相場に変化したときは騰落レシオがピークをつけてからしばらく日経平均の上昇が続くことも多い指標です。

ですので、騰落レシオがピークになったのは、新しい上昇相場のスタートと強気に考えることもできます。

しかしながら、売買代金を伴わない上昇相場には違和感があります。過熱するのは上を見ている強気の投資家が増えるからで、売買代金の増加と騰落レシオの上昇が重なって勢いが出ると思っているからです。

25日の売買代金は10月最高の2兆1千億円台になりましたが、上場初日のJR九州が約2700億円の売買代金だったため、実質は2兆円割れだったと考えられます。

日経平均は9月安値(27日)16285円から25日の17381円まで、1ヶ月弱で1000円以上の上昇をしています。

これだけ上昇しているのに、これほど売買代金が伴わないのはあまり経験がありません。

今のところ、日経平均の動きと投資家の温度差があると思われるため、日経平均が上がったからといってなんでも上がるような展開ではないと考えています。

週末にかけて決算発表前半のピークがきますので、個別は決算待ちムードが強くなりそうです。
市原義明
株式会社ストックゲート 執行役員兼営業部長
配信元: 達人の予想