104円割れで日足の実体部を割り込んで推移 → しっかりと「押し」を待つスタンス

著者:平野朋之
投稿:2016/10/18 11:18

■テクニカル面にも注意


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■昨日は、米長期金利の低下や3ヶ月連続で低下した景況指数を背景にドル売りが優勢の展開になりました。また、週末のイエレン議長の「高圧経済発言」が最近のドル高に対する利益確定売りにつながっています。


■本日は、株価や原油の動向をにらみながらの展開と予想しますが、基本としては「押し目待ち」スタンスをイメージしています。
というのもドル円の104円台と原油の50台ともに相場として重くなり出しているからです。理由は以下の通りです。

・市場は次の一手、つまりドル円においては「米追加利上げ」であり、原油においては「11月OPEC減産」といった確固たる事実を要求しています。

・市場の見方は至って冷静且つ、慎重であることからリスク選好になっていないことです。


■上記2つが最大のポイントではあるものの、週末のイエレン議長の「高圧経済政策」に対してフィッシャー副議長は、「早期利上げ」を相変わらず発言し、市場が困惑しているのも事実です。また、今週のECB理事会でも来年3月で終了するQEの行方で「終了と延長」とで見方が分かれています。

この様なことからも、不確定要素が多すぎる市場はポジションも含め偏れず、結果的にレンジ相場となってしまうのです。この「不透明」なことは、明確に金のETF残高にでています。3営業日連続で在庫積み増し(8.31トン)、残高は今年8月11日以来の967.21トンとなっています。

更に、NYゴールドのチャートを見れば、1,250ドル台でしっかりと値固めしつつ、反発をうかがっているチャートになっています。当面、日足ベース200日移動平均線(1,271ドル)が大きな抵抗となりますが、これを超えるようであれば、ドル円も大きな調整が入る可能性があるので注目です。


■最後に、「押し目」のポイントですが、現在の104円を割っている水準では、日足ベースの平均足(改良版)の実体部を下回っています。

このまま割り込んで引けた場合は、目先下値を試す可能性もあるため、高値を追うのではなく、「押し」を待つスタンスになります(チャート画像参照)。


・先週末安値…103.32円
・10月10日安値…102.80円
平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想