2次電池の実用化にメド
11日の東京株式市場では、マグネシウム電池に関連する企業が突発的な人気を集め、その流れは翌12日も続いた。ホンダ<7267>と埼玉県産業技術総合センターが世界で初めてマグネシウムを使い、繰り返し充電できる2次電池の実用化にメドを付けた、と日本経済新聞などが報じたことが、投機資金の食指を動かした。
現在、2次電池といえばリチウムイオン電池がその代名詞的な存在で、関連各メーカーは同分野の設備増強に躍起となっている。リチウム電池は、スマートフォンなどのモバイル端末や電気自動車(EV)、プラグイン・ハイブリッド車(PHV)向けなどエコカー分野で独占的な市場を確保しているからだ。しかし、低コストで小型軽量化にも優位性があるマグネシウム電池が商業化されれば、業界地図が一変する可能性もゼロではない。市場開拓余地は大きく、マグネシウム電池関連はリチウムイオン電池並みのインパクトを持って、新たな市場テーマにのし上がることもありえる。
全体市場はリスクオンの流れのなかで主力株が動き出し、日経平均は10月第2週に約1カ月ぶりに1万7000円台に復帰してきたが、これまでのパターンでは回復しては反落するトレンドを繰り返しており、一段の上値追いには懐疑的な見方も根強い。個人投資家はどうしても個別株のテーマ物色の流れのほうが乗りやすい面がある。テーマ買いの動きに、やや手詰まり感が出ているなか、今回のマグネシウムで2次電池を開発するという話は、「格好の“祭り買い”のネタになったことだけは間違いない」(国内中堅証券営業体)ようだ。
勢いよく買われた銘柄としては藤倉ゴム工業<5121>、オリコン<4800>、古河電池<6937>、神島化学工業<4026>、日本金属<5491>、日本バルカー工業<7995>、倉元製作所<5216>などがある。
このうち、日バルカー、倉元などは、足の速い資金の利益確定売りの洗礼を浴びて動意翌日には安くなったが、買い人気を継続している銘柄も少なくない。
藤倉ゴムは独自技術でマグネシウム電池を開発中、オリコンは子会社オリコン・エナジーがマグネシウムの精錬技術などを研究していることが買いの手掛かり。古河電池<6937>は震災時などに対応した非常用マグネシウム空気電池を開発し話題を集めた経緯がある。また、神島化学工業<4026>は海中のミネラル資源活用技術で定評があり、高純度の酸化マグネシウムなどを提供する。日本金属<5491>は世界に先駆け、高強度で温間成形性に優れたマグネシウム合金圧延材の製造を開始するなど、同分野の草分け的存在で、ひときわマーケットの視線は熱い。
もっとも、有力テーマとはいえ今は商業化の実態が伴わず、“理想買い”の段階にあることも事実である。11月下旬から12月初めにかけて幕張メッセで開催される『第57回電池討論会』が注目されており、この発表内容次第で人気が再燃する可能性はあるが、それまでに関連銘柄はひと相場を形成してしまいそうだ。市場では、「マグネシウム電池が、リチウムイオン電池に代替するかどうかは未知数。仮に技術が本物としても、これから実証試験を重ね、実用化されて市場投入されるまでには早くて数年かかる。これまでにもマグネシウム電池の話は何度かマーケットで浮上してきたが、機関投資家が絡まないので継続的な資金の流入がなかった。今回も買っているのは短期の個人マネーで、深追いは避けたほうが無難」(国内ネット証券)とクールな見解も聞こえてくる。
現在、2次電池といえばリチウムイオン電池がその代名詞的な存在で、関連各メーカーは同分野の設備増強に躍起となっている。リチウム電池は、スマートフォンなどのモバイル端末や電気自動車(EV)、プラグイン・ハイブリッド車(PHV)向けなどエコカー分野で独占的な市場を確保しているからだ。しかし、低コストで小型軽量化にも優位性があるマグネシウム電池が商業化されれば、業界地図が一変する可能性もゼロではない。市場開拓余地は大きく、マグネシウム電池関連はリチウムイオン電池並みのインパクトを持って、新たな市場テーマにのし上がることもありえる。
全体市場はリスクオンの流れのなかで主力株が動き出し、日経平均は10月第2週に約1カ月ぶりに1万7000円台に復帰してきたが、これまでのパターンでは回復しては反落するトレンドを繰り返しており、一段の上値追いには懐疑的な見方も根強い。個人投資家はどうしても個別株のテーマ物色の流れのほうが乗りやすい面がある。テーマ買いの動きに、やや手詰まり感が出ているなか、今回のマグネシウムで2次電池を開発するという話は、「格好の“祭り買い”のネタになったことだけは間違いない」(国内中堅証券営業体)ようだ。
勢いよく買われた銘柄としては藤倉ゴム工業<5121>、オリコン<4800>、古河電池<6937>、神島化学工業<4026>、日本金属<5491>、日本バルカー工業<7995>、倉元製作所<5216>などがある。
このうち、日バルカー、倉元などは、足の速い資金の利益確定売りの洗礼を浴びて動意翌日には安くなったが、買い人気を継続している銘柄も少なくない。
藤倉ゴムは独自技術でマグネシウム電池を開発中、オリコンは子会社オリコン・エナジーがマグネシウムの精錬技術などを研究していることが買いの手掛かり。古河電池<6937>は震災時などに対応した非常用マグネシウム空気電池を開発し話題を集めた経緯がある。また、神島化学工業<4026>は海中のミネラル資源活用技術で定評があり、高純度の酸化マグネシウムなどを提供する。日本金属<5491>は世界に先駆け、高強度で温間成形性に優れたマグネシウム合金圧延材の製造を開始するなど、同分野の草分け的存在で、ひときわマーケットの視線は熱い。
もっとも、有力テーマとはいえ今は商業化の実態が伴わず、“理想買い”の段階にあることも事実である。11月下旬から12月初めにかけて幕張メッセで開催される『第57回電池討論会』が注目されており、この発表内容次第で人気が再燃する可能性はあるが、それまでに関連銘柄はひと相場を形成してしまいそうだ。市場では、「マグネシウム電池が、リチウムイオン電池に代替するかどうかは未知数。仮に技術が本物としても、これから実証試験を重ね、実用化されて市場投入されるまでには早くて数年かかる。これまでにもマグネシウム電池の話は何度かマーケットで浮上してきたが、機関投資家が絡まないので継続的な資金の流入がなかった。今回も買っているのは短期の個人マネーで、深追いは避けたほうが無難」(国内ネット証券)とクールな見解も聞こえてくる。