1万7000円台乗せトライ、市場エネルギー不足を懸念
来週の東京株式市場見通し
3連休明けとなる来週の東京株式市場は、日本時間今夜発表される米9月の雇用統計の内容に左右される可能性がある。事前の市場予想では、非農業部門雇用者数が17万2000人程度の増加になることが見込まれる。これを上回る強めの数値となれば、米景気の回復期待から、年内利上げの可能性がより高まり、円安・ドル高が進行することも予想される。
日経平均株価の想定レンジは1万6500~1万7300円とする。
ただ、一部市場関係者からは「外国為替市場で一時、東証1部の売買代金が低迷し、市場エネルギー不足が続いていることから、一本調子の上昇は見込めそうもない」との見方も出ている。
日銀による上場投資信託(ETF)の買い入れで、大幅な下振れ懸念は軽減されているものの、外国人投資家の売り越しは継続しており、先高期待に水を差している。また、9日の第2回目の米大統領候補テレビ討論会の結果も株価に影響を与る可能性がある。
7日の動意株
ANAP<3189>=大幅高。
同社はきょう16年8月期通期決算を発表する予定で、先回り的な買いが流入しているもよう。7月8日に発表した16年8月期第3四半期累計(15年9月~16年5月)の単独経常損益は1億2100万円の赤字だったが、3~5月だけでみれば6600万円の黒字に浮上しており、17年8月期業績への期待感が高まるかたちとなっているようだ。
首都圏を中心に分譲マンション建設などを手掛ける
ファーストコーポレーション<1430>=後場急伸。
同社はきょう正午に、株主優待制度を導入すると発表。保有株式1万株未満はクオカード1000円分、1万株以上はクオカード2000円分を贈呈する。 また、同時に17年5月期の第1四半期(6~8月)の単独決済も発表。経常利益は6億6800万円(前年同期比96.0%増)となり、上半期計画8億9500万円に対する進捗率は74.6%に達した。なお、上半期および通期の業績予想は従来計画で据え置いている。
セラク<6199>=後場一段高。
来週12日から幕張メッセで開催される「次世代農業EXPO」を前に、同社への関心が高まっているもよう。同社は9月13日に、農業IoTサービス「みどりクラウド」を出展すると発表している。また、きょう7日は、13日に開催される日本MSP協会主催の「MSPJオペレーションカンファレンス2016 Fall」で、「施設園芸におけるIoTの活用 みどりクラウド」として講演を行うと発表している。
省電舎
<1711>=ストップ高。
同社は6日取引終了後に、株式交換でエール(東京都渋谷区)を完全子会社化すると発表。これに伴い、エールの子会社で独特な再生可能エネルギー関連事業および省エネルギー関連事業などを手掛けるエールケンフォーを孫会社化することになり、これによるシナジーが期待されているようだ。エールは、今年6月の定時株主総会で省電舎の取締役に就任した中村健治氏が経営する企業。今年9月に設立され、現在はエールケンフォーの株式を保有しているのみで、具体的な事業活動の予定はないとしている。
多摩川ホールディングス<6838>=大幅高。
同社は6日、子会社の多摩川電子が日本空港無線サービス(千葉県成田市)から「空港MCA用光DASシステム」の開発・製造委託を受け、このほど成田国際空港で運用が開始されたことを明らかにした。多摩川電子が納入した光DASシステムは、回線数増加と機能化を目的とした不感地対策用光伝送システム。ユニット単位での拡張性があり無線エリアの拡大が容易にできるほか、イーサネットを用いて監視アプリケーションと合わせて運用することで、運用状態にある機器の監視を行うことができる。
日本カーボン<5302>=急動意。
環境保護の観点から世界的に燃費や排ガス規制強化の流れが強まるなか、電気自動車(EV)やEVに補助的にエンジンを搭載したプラグインハイブリッド(PHV)の普及が加速する方向にある。そのなかリチウムイオン電池の負極材を手掛ける同社株もテーマ物色の出遅れ対象として注目されている。年5円配当を継続しているにも関わらず、PBRが0.6倍台と割安感が強いことも投機資金の食指を動かしている。
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