投資家は意欲旺盛。週明けも中小型株に注目!

著者:小野山功
投稿:2016/09/30 19:11

~ 小野山功が見通す「来週の株価材料」 ~

★【LINE株は上場来高値更新】輸出関連の戻りは当面望み薄か。

このところさえなかった中小型株の市況が回復しています。日経ジャスダック平均は27日まで6日続伸したほか、東証2部指数は29日まで7日続伸し、7か月半ぶりの高値を付けました。

為替が1ドル100円台と高止まりしており、輸出関連は手掛けづらいところ。反面、為替変動が収益に与える影響が低い、内需の中小型株の見直し機運が高まっているようです。

27日には米大統領候補による初めてのテレビ討論が市場の関心を集めました。第一回の討論会はヒラリー・クリントン候補がそつなくこなし、体調不安も感じさせなかったことで、100円割れの円高はひとまず回避。

とはいえ、11月8日の米大統領選を巡って、世論調査の動向などに振り回される日々は続くでしょう。輸出関連の戻りは当面望み薄といったところでしょうか。

■投資家の物色意欲は旺盛

相場の方向感が定まらぬ中でも、投資家の物色意欲は旺盛でした。27日にマザーズ市場に上場した(3961)シルバーエッグ・テクノロジーは公開価格(900円)に対し、上場4日目に4.8倍の4400円まで上昇。

同じ日に上場した(3962)チェンジも、公開価格(1200円)から3.7倍の4480円まで買われるなど新規公開(IPO)銘柄が賑わいました。

外国人投資家が日本株を4週連続で売り越していますが、外国人持ち株がゼロのIPOであれば、海外勢の売りを心配する必要はありません。

7月の上場からまだ日が浅い(3938)LINE株にも資金が流入し、28日に5230円まで上昇し、上場来高値を更新しています。

■「カジノ」「無電柱化」政治に関心が集まった

政治にも関心が集まった一週間でした。26日から始まった秋の臨時国会で、カジノ解禁を目指す議員連盟が今国会での法案成立に意欲を見せたことから、カジノ関連株人気が再燃。

カジノ関連株と目される(6418)日本金銭機械(6428)オーイズミが今週年初来高値を付けています。

また、28日から東京都議会が始まり、小池都知事が所信表明で「無電柱化」に言及したことで、電線の共同溝を手掛ける(5289)ゼニス羽田ホールディングス(5287)イトーヨーギョーなど個別株が物色されています。

10月から日銀のETF買い入れのルールが変更されます。これまでは買い付けの半分超を「日経平均型」に充てていたので、大型株しか恩恵はなかったものの、10月実施分からうち66%程度が「TOPIX型」の買い付けに充てられるとみられます。

3日発表のISM製造業景況指数、7日の米雇用統計次第でドル円100円割れが視野に入る中、円相場の変動に左右されにくい内需の中小型株優位の展開が週明けも続くことでしょう。

小野山 功
小野山功
株式会社SQIジャパン 金融コンサルタント
配信元: 達人の予想