■今年何度も上値トライを失敗している75日線に接近&本邦単独の緩和策は?

著者:平野朋之
投稿:2016/09/14 11:23

■明日の米小売売上高は注目


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■昨日は、米利上げ観測後退を受けたドル売りの流れが一巡し、持ち高調整が続く中、次回の日銀会合でマイナス金利の深堀りが主軸で議論されるとの報道から、円売りが優勢となりました。

■米国の金融当局者はFOMCを前に発言を控えるブラックアウト期間に入り、材料が不足する中で、日本サイドのマイナス金利に対する話題が材料になったのは、正直驚いています。むしろブラックアウト期間に標準を絞り、円高阻止する狙いもあったようにもみえます。

となると、次回の日銀会合でサプライズがあるのか‥という過度な期待に走ってしまうが、その期待は以下のようなことです。

・マイナス金利0.1% → 0.2~0.3%に拡大
・国債購入量年80兆円 → 100兆円に拡大

上記のような政策を打ち出さなければ、市場は失望感から投げ売りが出るとみています。


■結果はフタを開けてみなければわかりませんが、前回のECB定例理事会で追加緩和を見送り、米国も現段階では9月見送り濃厚な中、日本単独で追加緩和に踏み切るのは少々、疑問が残ります。

少なくても日本サイドに話題でドル円が上昇することは多少のノイズ程度で、トレンドを変える効果は全くないとみています。


■本日は、オセアニアタイムから強気で買い進んでいるドル円ですが、テクニカル上での分岐点となっている移動平均線75日線に接近しています。

今年はこの平均線をタッチした後に下落するパターンになっています。
今月初めの雇用統計の時も同様の動きをしています。

明日の注目される小売売上高を前にタッチするのかを注目しています。その意味では、多少リスクを採ってこの平均線近辺で戻り売りを仕掛けたいと考えています。

・移動平均75日線…103.36円(9月14日現在)


■最後に、昨日VIX指数(恐怖指数)が再上昇しています。
昨夜一晩で18%弱上昇しています。一旦終息しかけましたが、この上昇が気がかりです。

少なくても日足上では、下ヒゲ陰線でカラカサ状態になっています。色々な意味で市場はボラティリティが急上昇すると思うので、リスク管理にはより一層の注意を払いたいところです。
平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想