■9月利上げに踏み切れば、強気ムードは一旦フラットになる可能性に

著者:平野朋之
投稿:2016/08/31 11:56

■目先のドル円は、買われ過ぎ感が台頭


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■昨日は、フィッシャー副議長によるタカ派発言が追加利上げ観測を印象付けたことでドル買い優勢、コモディティが下げる展開となりました。

また、消費者信頼感指数が予想を大きく上回ったことも相場を支援する格好となり、一時103円台もつける場面がありました。


■本日は、ここ数日間の急騰に対する利食い売りに押される可能性がありますが、押目を探す一日と予想しています。

最近の流れを見る限り、FRB高官のタカ派とみられる発言を始め、米国の各種経済指標の好転により、9月ないし
12月の追加利上げが現実味を帯びてきています。

更に、海外市場の不安要素も一旦、落ち着きを取り戻しているので、利上げのタイミングとしては今しかないようにも感じます。



■しかし、週末の雇用統計の結果を見て、そのジャッジに踏み切れるのか‥?

労働市場の過熱感に対して、平均時給(前年比)がついてきていないことからもインフレ見通しは依然として
よくないとみています。

その状況下で果たして思い切った利上げをすることが妥当なのかといつも自問自答しています。


振り返れば、昨年12月に金融正常化に向けた一歩を踏み出したわけですが、今年まだ次の一手が打てていません。

いずれ利上げは行うという見方を手掛かりに、市場参加者は100円の大台を底値と決めつけています。



■ただ、冷静に考えれば9月利上げを行えば、市場参加者の判断は「年内はもうない」と考え、これまでの強気ムードを一旦フラットにするので、必然的に利食いが出るので、いずれにしても中長期の目線で考えればダウントレンドの渦中であり、「戻り」にしか過ぎない可能性もあります。



■月間足のテクニカルをみれば、下ヒゲ三本連続となっているので、正攻法で考えるのであれば、戻りを想定するのが妥当です。


以下は、月間足ベースの戻りポイントです。

※フィボナッチ(2015年6月高値・2016年6月安値)

23.6%…105.27円
38.2%…109.20円


※そして、本日の押目ポイントになります。

昨日の上昇に対するフィボナッチ
23.6%…102.80円
38.2%…102.60円
50.0%…102.43円


短期は戻り優勢で、中期はダウントレンドの渦中にいることを頭の片隅においてトレードすることを想定しています。

平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想