■100円割れの滞在時間は短くても、戻りは売られる展開続く

著者:平野朋之
投稿:2016/08/17 11:32

■中期下降トレンドが継続、その要因は?


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■昨日は、消費者信頼感指数が予想よりも弱かった結果を受けて軟調に推移し、更に100円の大台割れから売りが加速しました。しかし、ダドリーNY連銀総裁が9月利上げの可能性に言及したことで大台割れを回避してクローズとなっています。


■本日は、要人発言で大台割れを回避し、安心感からの買戻し優勢との見方もありますが、米利上げ憶測が再度出回っている割には、上値が重くその鈍さが気になるところです。


今夜FOMC議事録が公表され、要人発言との温度差を探る上では重要になると思われますが、楽観はできないとみています。
というのも、利上げの定義を考えれば、現在の米国内のインフレ状況はコアで横ばい、見通しに関しては変化がないという観点から見れば、急ぐ必要はないのです。


■雇用状況に関しては、ブレクジットによる影響は最小限にとどまったものの、製造業部門に関しては不安定さが残る状況です。
そして、非農業部門雇用者数もこれ以上の高望みが出来ない見通しです。更に言えば、株価が史上最高値であるにもかかわらず、足元のインフレや消費が弱いことは、日本と同じ状況にみえます。

これは長引くデフレの後遺症、つまり安価なものに慣れてしまったがゆえに、物価上昇に対して消費者は拒絶反応を起こしているのです。その点では日米共に同じ状況が結果として出ています。


■また、そのデフレ脱却に向け日銀やFRBは必要以上にカンフル剤を打って株価を押し上げたものの、グローバル経済の中では不発とまでは言わないが、これ以上行っても無駄打ちになる可能性が高いとみています。

また、米国も正常化に向けて一歩進めたが、世界はまだ緩和政策渦中にあるので、計画通りには進まない現実もあるのです。


■本日のポイントとしては、FOMC議事録の内容次第といったところです。
しかし、戻りの鈍さを考慮し、しっかりと戻りを売りたいと考えています。

以下は戻りポイントです。

・本日高値…100.67円

・水平線レベル…100.90円
平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想