小幅推移も一時的な買われ水準に接近中

著者:平野朋之
投稿:2016/08/09 11:36

ドル安のファンダメンタルズ要因は?


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■昨日は、良好な雇用統計の結果や原油価格反発を背景にリスク回避が抑制され、102円台をキープして終了しました。

本日は、特に注目する経済指標も無く、株価や原油価格の動向を横目にレンジの狭い展開になると予想しています。


■週末を挟みここ2日間の動きをみる限り、リスク選好に傾いたようにみえますが果たしていつまで続くのか‥と疑念を抱いています。
というのも、先週末の雇用統計だけで年内の追加利上げのトーンが上がったとは考えにくく、むしろ安定的な雇用増加が確認できることが条件です。

データ的には5月の大きな落ち込みからわずか2回でしかなく、今後も安定的な数値が求められるところです。
また、賃金上昇が確認できるデータも不足しておており、安定的な個人消費が望めるものでないとみています。

また、米4-6月GDPが弱いことも気掛かりな要因です。先行き不透明な世界経済と原油価格不安が重なり合うことで、米経済情勢も決して楽観できるものでもなく、利上げを急ぐ理由などどこにもないのです。

むしろ、英中銀が大胆な量的緩和と継続性を打ち出し、主要州銀に追加緩和を呼びかけているようにもみえるくらいです。
その渦中では、米追加利上げが流れに逆らう動きであり、仮に利上げを行うことでの副作用を想定すれば、ここは据え置きの時間稼ぎしか選択肢がないとみるのが妥当だとみています。


■テクニカルでは、一旦戻り局面ではあるものの、中期は依然としてダウントレンドの渦中にいることをお伝えしておきたいです。

本日も戻りをしっかりと探す一日になりそうです。

以下は、フィボナッチでのポイントと水平線でのポイントです。

7月21日高値-8月2日安値に対するフィボナッチ

・38.2%…103.25円
・50.0%…104.05円

・先週高値…102.82円
平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想