■方向見ずの「買い」情報には注意!為替想定レートを下げる企業が増加

著者:平野朋之
投稿:2016/08/01 11:28

■戻り売りスタンス継続

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■今年の高値は121円50銭レベル・・・、ここから中期トレンドは戻り売り継続となっているドル円相場ですが、下げても下げても「買い」、「買い」という様な、大きなトレンドをみていない様な情報も多いのですが、先週末も、注目された日銀会合の結果、ETFの買い入れ額を倍増させる追加緩和になったものの、市場が期待した緩和策出なかったことで、結局は失望売りとなっています。


また、米GDP速報値は、2%を割り込む結果となり、さらにドル売りに拍車がかかり一時、102円を割り込む場面もありました。


■黒田総裁の会見をみても、これといった材料になるインパクトはなく終了しました。むしろ、記者質問を回答するのに困る場面が多々見受けられました・・・。

日銀の緩和策に対する限界説をはじめ、物価上昇2%未達成やマイナス金利、更に責任問題まで波及するなど、これまでのアベノミクスを支えた日銀運営に疑問が残った印象を受けています。

これまでの日本経済は、円安頼みの産業構造をとなっていましたが、この先は、打つ手がなくなった日銀政策ぬきの、政策運営に迫られ、やがてはアベノミクス限界論も時間の問題になりつつあります。


それは、景気や物価を見るうえで、「財政」と「金融」の二つの歯車が噛み合わなければ、いずれ景気は失速することは過去を見ればわかります。

20年以上も慢性デフレに染まった膨れ上がった巨大な民間資金を今回の単発的な28兆円の財政出動で揺り動かすことなど到底できないとみています。


外需頼みの産業構造から脱却し、内需拡大できる将来設計を構築しなければ、この先20年以上のデフレは確約され、負の遺産だけが若者に重くのしかかります。

そして国家財政も破たん寸前まで追い込まれ、大増税国家になる可能性も否めないとみています。


■その意味でも「歴史ある伝統や文化」「世界に誇る技術革新」「日本人の真面目な気質」における日本の魅力を見直し、地方創生を中心とした本当の意味での一億総活躍社会を作るべきだと思っています。


■本日は、イベント後で材料が不足する中、株価や原油の動向を横目に戻りポイントを探す一日になるとみています。

しかし、チャートを見れば大陰線を引いただけに、戻りがあったとしても売り優勢は変わらないとみています。

また、ここでもお再三お伝えしていますが、移動平均線75日線を一度タッチすると、大きく下落するパターンにすでになっているだけに100円突破も時間の問題かもしれません・・。


■以下は戻りポイントです。

1時間足をベースに水平線を使ったポイント

・103.47円

・102.72円
平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想