■200日移動平均線に接近で押しが入りやすい水準に。過去2回は戻り売りに

著者:平野朋之
投稿:2016/07/19 11:14

■本格的なリスク選好はまだ早い?

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■昨日は、週末のトルコのクーデターが失敗に終わり、マーケットへの影響が少なかったこと、また日本の追加緩和期待が重なり、リスク選好の流れから106円台前半でNYクロースを迎えました。

■本日は、英国民投票直後の先月24日高値や日足上の200日移動平均線に接近していることで意識されやすい水準になってきています。

最近の株式市場は、欧州株価が落ち着いたことで悲観的な見方が減少、米国株が史上最高値でご祝儀モード、そして本国は与党圧勝から追加緩和期待となり、売り材料が目立たなくなっている気がします。

その点で見れば、素直にリスク選好の流れに沿ったトレードをするのが正攻法と思います。しかし、気がかりなのが、コモディティの動きです。

■金価格は英離脱後の直近高値(1376ドル)からは下落しているものの、1300ドル台をキープしています。
金のETF残高(SPDRゴールド・シェア)をみると、直近高値の残高(981.26トン)がピークで、現在は16.04トンしか減少していません・・・。

現在の流れが本当のリスク選好とすれば、この金のETF残高も大きく減少し、価格のそれに応じて急落するのが普通です。
しかし、現在は、残高が減少せず、金価格だけ調整している感じです。
いずれ残高と価格の歪みは価格に反映されるとみています。

■つまり、短期的には、株式楽観ムードからリスク選好に走っているものの、中期で見れば下落トレンドの道半ばとみるのが本当の意味での正攻法と考えています。

■本日は、株式ご祝儀モード一服と材料不足で、押目を探す一日になりそうです。

以下は、押目のポイントです。

4時間足ベース
・ボリンジャーバンドセンター…105.51円
・昨日安値…105.30円


■また、200日移動平均線(7月19日107.04円)に接近しているので注目したいところです。
ちなみに今年はこの移動平均線をタッチすると下落する傾向が2回ありました。2月の120円台と5月の110円台です。

この200移動平均線通りの展開であれば戻りのピークが近いことを示すこともあるため、あまり利食いの幅を広げない方がいいとみています。
平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想