■米雇用統計:結果が良くても戻りは一時的、再度リスク回避の円高に

著者:平野朋之
投稿:2016/07/08 11:33

■現在の相場は不透明がキーワード

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■NYタイムで発表されたADP雇用統計の結果が予想を上回り、雇用改善期待から一時、101円台に突入しました。
しかし、戻り待ちの売りや原油価格が急落したことを受けて、再度リスク回避の円買いが強まり、100円台後半で終了しました。

■本日は、月一イベントの雇用統計です。
先月の反動で改善するとみていますが、予想以下の場合、利上げ先送りからドル売りが先行するとみています。
雇用統計の注目点はやはり、平均賃金の上昇率とみています。
インフレ目標2%に達するには必要不可欠です。最低でも前年度比3.0%以上の結果がひとつの目安になると思います。

今回の雇用統計が予想以上に良かった場合でも、7月利上げにはつながらず、むしろ、米景気の参考指標程度で、英国の動向やユーロ圏の財政再建問題から世界経済失速が懸念されることから、FRBのスタンスは様子見の選択肢しかないとみています。

■現在の相場は不透明がキーワードとなっており、大小関わらずリスク回避に動く展開になるとみています。
それは、英離脱ショックを一時的に吸収したように見えるが、いずれまた大きな波が来ることを金のETF残高増を見る限り、警告してくれているとみています。

■本日の雇用統計の結果が良くてもドル円が大きく反転する材料にはならないとみています。悪い結果の時に備えて逆指値も考慮するか、レートも飛んでしまうこともありますので、様子見にした方が良いと考えています。

基本のスタンスは、ドル円 売り

・昨日高値…101.40円
・ボリンジャーバンド-1σ…101.70円

ブレイクダウン(日足ベース)
・7月6日安値…100.20円
平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想