■為替介入の可能性も少なく、円買いポジションが更に増加中

著者:平野朋之
投稿:2016/07/06 11:14

■「ポンド安→ユーロ安→株安→原油安→円買い」

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■昨日は、リスク回避モードが再点火し、円買い優勢の展開で101円台に突入しました。その発端となったのが、英PMI指数が悪化したことでEU離脱決定後の景気先行き懸念が再燃し、欧米株が売られたことです。
また、欧米株安から原油が連鎖反応し、市場ムードは一気にリスク回避モードになり、更に米長期金利も低下したことを受けて下げ足を早めました。

■英離脱後の安値を既に割り込んだポンド(対ドル)の動向にも注目が集まります。
昨日同様、「ポンド安→ユーロ安→株安→原油安→円買い」のリスク回避から大台割れの可能性も出てきています。

英離脱問題は、EU圏だけの問題ではなく、既にグローバル化した国際情勢の中では重要問題であるとみています。
特にギリシャ問題に続いているだけに慢性化する恐れも否めない
ようです。
その影響で金融不安や信用収縮が世界規模に発展する可能性があると予想しています。

■既にその動きを予想して金価格は、英離脱後の高値を突破しています。
ちなみに、金ETF残高(SPDRゴールドシェア)は1日で28.81トン増加していることからも不透明且つ信用収縮がうかがえます。

一方、原油価格もテクニカル面では、高値切り下げで下値抵抗とされる45.8ドルを下回るようであれば、ブレイクダウンする可能性もあるとみています。

その場合、ユーロ安・資源国通貨安につながり、そのシワ寄せが円に飛び火するのでいずれにしても円買いは避けられないとみています。


■本日27時にFOMC議事録公表があります。
しかし、この流れを食い止める材料になる確率は低いとみています。

むしろ、週末の雇用統計で予想を下回るようであれば、政策スタンスの変更も囁かれ始めるので、ドル売りも視野に入れなければいけないとみています。

この様流れの中で、円売り介入を予想する方もいるようですが、現段階では火に油を注ぐようなものであり、グローバル化した経済化では、もはや世間知らずと批判されます・・・。

円安トレンドの中で数年間はアベノミクスでよかったと思われますが、今後は、産業構造を大転換する必要が日本にはあるとみています。

今回の参院選にはそのようなことを言っている候補者もいないです・・・。

■本日は、テクニカル的にもブレイクダウンしているので、どこまでオーバーシュートするのか模索したいと思います。

以下は、ポイントとなる価格です。

・心理的な節目…100.00円
・直近安値(6月24日)…98.98円
・2010年5月高値…94.98円
平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想