■ユーロ、ポンドの介入の可能性はあっても、ドル買い円売り介入は疑問も残る

著者:平野朋之
投稿:2016/06/27 10:02

■依然、波乱相場が継続


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■先週末は、英国のEU離脱決定により歴史上に残る大相場となり、
一時、99円付近まで円が急騰する場面もありましたが、NY市場では
持ち高調整の動きや介入警戒感から102円前後で様子見の展開と
なりました。

また、週末にはG7財務相・中央銀行総裁による電話会議が開かれ、
市場に対するけん制として共同声明を発表しています。
特に今週は、その声明に対する世界の金融市場の反応に注目したいです。


■共同声明といえば、協調介入をイメージします。ポンドやユーロに
関しては介入が行われる可能性は高いと思われます。しかし、ドル円は
少々、疑問が残ります。確かに単独介入をちらつかせている日本政府ですが、
先週末だけの動きを見れば、安値から3円戻して終了していることを
考慮すれば、介入はしづらいといったところは否めないようです。

そして英国離脱を受けて、FRBの利上げペースや日本の追加緩和に
動きにも注目が集まります。
特に29日に開催予定のイエレン議長のパネル討論会でのコメントには
市場の関心は集まりそうです。もし、利上げペースにコメントが出るようで
あれば、ドル売り優勢となるとみています。

そして、今後の相場を予想するうえで重要な動きが、コモディティー
市場にも表れています。
それは「金と原油」です。それぞれの日足チャートを見ると、金価格は
「陰線(木曜日)→大陽線(金曜日)→抱き線(買いシグナル)」となり、
原油価格は「陽線(木曜日)→大陰線(金曜日)→抱き線(天井圏での売り)」
となっています。



■このことは、大きなトレンドをみる上で最も重要です。
今後の不透明な時代への警鐘でもあり、しばらくの間、リスク回避相場が
続くとみています。


■本日は、介入も意識し、浅めにLCを置きながら安値では買いの
スタンスです。但し、アジアタイムでは上値の重い展開になりそうです。

以下は、戻り局面での重要なレート水準です。

・6月21日(安値)…103.57円

・6月23日(安値)…104.09円
平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想