■売り優勢もイベントを控えて下値も限定

著者:平野朋之
投稿:2016/04/26 10:00

■111.30円がここ20時間程、上値抵抗に・・・

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■昨日は、先週末の急激なドル高円安に対する利食い売り優勢で終日取引され、111円台をキープして取引を終了しました。
また、原油先物や株式市場も軟調な動きもあって、リスク選好が抑制され、円買い優勢の展開となっています。

■また、経米新築住宅販売件数が51.1万件と市場予想比やや下回り、ダラス連銀製造業活動指数は7カ月連続のマイナスとなっています。

米国の経済指標は雇用に関するデータは改善が目立つものの、こういった消費関連や製造業関連が不調なことは、FRBにとっても気がかりであり、利上げペースを更に鈍化させる材料にもなっています。

■しかし、この日は米国の不調な経済指標は軽視され、110円代後半では押し目買いと見られるドル買いも散見されました。
というのも、28日の日銀金融政策決定会合で金融機関の貸し出しにもマイナスを適用、補完措置としてETFの買い入れ拡大が見込まれており、期待感もあり円買いは抑制されています。

■黒田総裁が就任当初から描く、物価目標2.0%誘導が、今回の熊本大震災の影響で更にズレ込む事は確実視されており、成長率も二期連続マイナスも避けられない状況になっているだけに、どのような追加緩和策を出してくるのか…、G20後の会合や通貨安に対するけん制もあっただけに、総裁のコメントにもいつも以上に関心が集まるとみています。

■本日も原油や株価が軟調であったことを背景に売り優勢とみています。しかし、円の上値もイベントを控えて限定されるとみています。

■テクニカル的には、4時間足を見るとわかりやすいのですが、111.30円がここ20時間くらい上値抵抗になっているのがわかります。

下値に関しては110円台後半で押し目買いが入るかどうかを見極めつつ、更に下値を模索するのであれば、4時間足のボリンジャーバンドセンター付近をみて、押し目買いエントリーが妥当と見ています。

また、4時間足ベースの移動平均線200も111.20円付近で横ばいになっていることも上値の抵抗を厚くさせているものとみています。
平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想