~ 小野山功が見通す「来週の株価材料」 ~
★【“日本売り”ではなかった】2ヵ月半ぶり17,500円台、今回の株高は本物か?
4月6日に一時15,600円台まで下落した日経平均株価は、その後2週間ほどで2,000円近くも値を戻す急展開です。
3月に17,300円で2度も上値を抑えられていましたが、3度目の正直とばかりに、今回は見事突破することができました。
年初から日本株を売り崩した外国人投資家が4月に入って買い主体に転じたほか、日本株売りの“犯人”が判明したことで、不安心理が和らいでいます。
■日本株売りの主犯は、オイルマネーだった?
一括りに外国人投資家と言っても、北米、欧州、アジア、その他地域に分けられ、タイプは大きく異なります。
東証が月に一度公表する「海外投資家地域別株券売買状況」で、欧州勢は今年1~3月までに3兆6218億円の売り越しと、四半期の売越額としては過去10年間で最大になりました。
外国人投資家は1~3月に日本株を5兆円以上売り越しており、(集計対象は異なるものの)地域別株券売買状況によれば、およそ7割は欧州経由での売りだったことになります。
欧州の証券会社を経由して出される売買注文は、中東の投資家が委託しているケースが多いとみられています。そのため年初からの日本株売りの主犯は、オイルマネーだった可能性が高いのです。
確たる要因がわからないまま、年初から3ヶ月間海外勢による売り越しが続いていたため、「アベノミクスへの不信任か?」とか、「日本企業の業績悪化を織り込んだ動きでは?」など様々な憶測を呼びました。
ただフタを開けてみれば、売っていたのは中東のオイルマネー。歴史的な原油安による国家財政がひっ迫した中東諸国の政府系ファンドが売り手であれば、“日本売り”ではなかったことになります。
■“日本売り”ではなかったならば、当面のカギは原油価格。
日本や国内企業のファンダメンタルズを反映したものではなく、あくまで短期的な需給要因。一時30ドルを割り込み12年ぶりの安値を付けた原油価格(WTI)は、足元で40ドル台まで値を戻しています。
オイルマネーによる日本株売りは峠を越えた可能性があり、日本株が浮上するきっかけに繋がっています。
このところの日本株は、米国株よりも原油価格との相関性を強めています。当面は原油価格の動向がカギを握ることになりそうです。
小野山 功
4月6日に一時15,600円台まで下落した日経平均株価は、その後2週間ほどで2,000円近くも値を戻す急展開です。
3月に17,300円で2度も上値を抑えられていましたが、3度目の正直とばかりに、今回は見事突破することができました。
年初から日本株を売り崩した外国人投資家が4月に入って買い主体に転じたほか、日本株売りの“犯人”が判明したことで、不安心理が和らいでいます。
■日本株売りの主犯は、オイルマネーだった?
一括りに外国人投資家と言っても、北米、欧州、アジア、その他地域に分けられ、タイプは大きく異なります。
東証が月に一度公表する「海外投資家地域別株券売買状況」で、欧州勢は今年1~3月までに3兆6218億円の売り越しと、四半期の売越額としては過去10年間で最大になりました。
外国人投資家は1~3月に日本株を5兆円以上売り越しており、(集計対象は異なるものの)地域別株券売買状況によれば、およそ7割は欧州経由での売りだったことになります。
欧州の証券会社を経由して出される売買注文は、中東の投資家が委託しているケースが多いとみられています。そのため年初からの日本株売りの主犯は、オイルマネーだった可能性が高いのです。
確たる要因がわからないまま、年初から3ヶ月間海外勢による売り越しが続いていたため、「アベノミクスへの不信任か?」とか、「日本企業の業績悪化を織り込んだ動きでは?」など様々な憶測を呼びました。
ただフタを開けてみれば、売っていたのは中東のオイルマネー。歴史的な原油安による国家財政がひっ迫した中東諸国の政府系ファンドが売り手であれば、“日本売り”ではなかったことになります。
■“日本売り”ではなかったならば、当面のカギは原油価格。
日本や国内企業のファンダメンタルズを反映したものではなく、あくまで短期的な需給要因。一時30ドルを割り込み12年ぶりの安値を付けた原油価格(WTI)は、足元で40ドル台まで値を戻しています。
オイルマネーによる日本株売りは峠を越えた可能性があり、日本株が浮上するきっかけに繋がっています。
このところの日本株は、米国株よりも原油価格との相関性を強めています。当面は原油価格の動向がカギを握ることになりそうです。
小野山 功