「セル・イン・メイ」(5月売り)ではなく、「セル・イン・エープリル」(4月売り)が正解!?

著者:津田隆光
投稿:2016/04/21 18:23

株式市場のアノマリーに従えば、「4月売り・8月買い」?

ウォール街の格言であり、また季節的なアノマリー(=理論では説明できないものの、相場においてよく当たる事象や経験則のこと。変則的事実。)で有名なものに、“Sell in May”(=5月売り)があります。

この言葉は相場の世界では非常に有名ですが、二の句や全文については意外と知られていないのも事実。この格言・アノマリーの正確なものとは・・・“Sell in May and go away, don’t come back until St Leger day.”(=5月に売り逃げろ!そしてセント・レジャー・デー[9月第2土曜日の競馬レース開催日]まで戻って来るな!)。

特に(北半球の)株式市場においては、「春先に株価が高くなりやすく、夏場にかけて下落基調になり、そして秋口から冬場にかけては上昇しやすい」とのデータも存在するため、あながち荒唐無稽なものではないことは事実が証明しています。

そこで、NYダウ平均と日経平均の過去20年における騰落率について見てみると(図表参照)、NYダウ平均が年間を通じて一番上昇率の高い月が4月(+2.63%)、日経平均では11月(+2.05%)となっており、また、その逆で年間を通じて一番下落率の高い月は、NYダウ平均・日経平均ともに8月(NYダウ平均:-1.31%、日経平均:-2.47%)という結果に。

結局のところ、過去20年間のデータをもとに先の格言・アノマリーを検証してみると、正確には“Sell in April”、つまり「4月中には売り逃げろ!そして8月の下落時には打診買いをせよ!」という投資スタイルが正解なのかも知れません。

その他では、日米ともに株価は11月・12月とも堅調、そして1月は下げやすいといったところでしょうか。
あくまで日米株式市場における過去のデータとして参考にしていただければ幸いです。

グランビルの法則で『重要な買いサイン』を示しつつある豪ドル!

一方、為替相場に目を向けてみると、現状ではドル高が米経済(特に製造業)に与える悪影響が取り沙汰されている中、大統領選が繰り広げられている今の時点で政治サイドからも「ドル高容認」とは当然ならず、むしろドル安基調を歓迎するムードが支配的。

大きなトレンドを見る上で参考になる20ヶ月移動平均線チャート(月足)を見てみると、ドル/円(USD/JPY)では2月の時点でグランビルの法則では『重要な売りサイン』が示現。一方で、対ドル通貨である豪ドル/米ドル(AUD/USD)では同法則では『重要な買いサイン』を示しつつある状況。

いずれにしても、「2016年はドル安の年になる」とのガンドラック氏の言葉を座標軸としつつ、対ドル通貨(例えばAUD/USD)の打診買いをしてみるのも一案です。
津田隆光
マネースクエア チーフマーケットアドバイザー
配信元: 達人の予想