円相場を意識しながらの推移、円高に一服感出れば買い戻しも
明日の東京株式市場見通し
12日の東京株式市場は、引き続き外国為替市場の円相場を意識しながらの推移となりそうだ。売り買いともに手控えムードが増し、売買代金の低水準な状態も継続しそうだ。ただ、売り飽きムードも強まっており、円高に一服感が出れば買い戻しが優勢となる場面も想定できる。
市場関係者からは「円高が進行すれば売りが優勢となり、一服すれば買い戻されるという、為替連動性の高い値動きが続いているうちは、積極的な売買姿勢で臨みにくいという投資家が多いようだ」との見方が出ていた。
11日の東京株式市場は、終始売りに押される展開。全体相場は円高の影響で下値模索を余儀なくされ、
日経平均株価は一時、前週末比296円安まで売り込まれる場面もあった。その後、円高進行がやや一服状態となったこともあり、終値は前週末比70円39銭安の1万5751円13銭と3日ぶり小幅反落した。東証1部の売買代金は1兆8604億円と低水準にとどまった。
11日の動意株
コシダカホールディングス<2157>=大幅高。
同社は8日取引終了後に、16年8月期第2四半期累計(15年9月~16年2月)の連結決算を発表。営業利益は25億7700万円(前年同期比4.7%減)と従来計画の22億7300万円から上振れし、通期計画49億3900万円に対する進捗率は52.2%に達した。売上高は243億8800万円(同14.3%増)と従来計画の239億3000万円を上回って着地。カラオケ事業は増収減益となった半面、フィットネスのカーブス事業は増収増益と好調だった。なお、通期業績予想は従来計画を据え置いている。
スマートバリュー<9417>=後場に入ってストップ高。
同社はきょう、M2M/IoTサービス「CiEMS 3G」はNTTコミュニケーションズ(東京都千代田区)が提供を始めたIoTトライアルパックに採用されたと発表。これが材料視されているようだ。同社はNTTコムとの提携により、今後のM2M/IoT分野の事業展開を国内のみならず、新興国など海外にも拡大するとしている。
ジェネレーションパス<3195>=後場急動意。
一時ストップ高で、年初来高値を更新した。同社はきょう午後1時30分に、4月30日を基準日(実質上4月28日)として1対4株の株式分割を実施すると発表。これが買い手掛かりとなっているようだ。主な目的は、投資家の利便性や株式の流動性の向上など。効力発生日は5月1日となる。
gumi<3903>=ストップ高で、年初来高値を更新。
同社は8日、フジ・スタートアップ・ベンチャーズ(東京都港区)と共同で設立したFuji&gumi Gamesが制作し、gumiがGoogle PlayおよびApp Storeで提供予定のダンジョン探索型“大河”RPG「シノビナイトメア」の事前登録を開始したと発表。期待感から高まるかたちとなっているようだ。「シノビナイトメア」は、Fuji&gumi Gamesの国内第3弾タイトル。「アニメ×RPG」がコンセプトで、5月末のリリースを予定している。
保土谷化学工業<4112>=急動意。
時価PBRは0.5倍前後と解散価値の半値水準まで叩かれていることで、見直し機運が浮上している。同社は有機EL材料(正孔輸送材と発光体)を手掛けており、足もとは赤字採算ながら、米アップルがiPhoneに有機ELパネルを採用する方針にあることを受け、先行きに期待が広がっている。有機EL材料は韓国サムスンやLGなどの増産投資を背景に、今後の収益成長エンジンとして同社の業容拡大を牽引する可能性がある。
薬王堂<3385>=大幅続伸で、年初来高値を更新。
同社は8日取引終了後に、17年2月期通期の単独業績予想を発表。営業利益見通しを29億7000万円(前期比12.0%増)としていることや、年間配当を50円と前期から5円増配する方針を示していることが好感されているようだ。売上高は738億円(同10.3%増)を予想。今期は小商圏バラエティ型コンビニエンス・ドラッグストアの新規出店20店舗を計画しているほか、顧客サービス向上のためのシステム投資にも取り組んでいくとしている。
配信元: