~ 小野山功が見通す「来週の株価材料」 ~
★【投機的なドル売り】為替も株価も「ハロウィーン緩和」前の水準
日経平均は4月6日までに7日続落し、計1400円超下落しました。日経平均が7日続落したのは3年5ヶ月ぶりで、アベノミクス相場になって初めてのことです。
東証が7日発表した投資部門別売買動向(3月28日~4月1日分)によると、海外投資家は13週連続で日本株を売り越したことがわかっています。
年初からの売り越し額は累計で5兆円を超え、リーマン・ショックで株式市場が大混乱した2008年の年間売り越し金額(3兆7085億円)をすでに上回っています。
強烈な外国人売りに対して信託銀行が買い支えていますが、累計で2.1兆円程度ですので、売りを吸収するには力不足です。
信託銀行を経由して売買注文を入れているのは、日銀や公的年金、さらには企業の自社株買いとみられています。
■為替も株価も「ハロウィーン緩和」前の水準に
このところの日本株は、円相場との相関性が強まっています。為替が2014年10月の日銀「ハロウィーン緩和」前の水準に戻ってしまったことで、株価も当時の水準まで値を落としました。
ハロウィーン緩和前日の10月30日、円相場は対ドルで108円80~109円40銭程度で推移しています。
そこから1年半後の4月7日、ドル円相場は一時107円台後半まで急伸しました。翌8日の東京株式市場では円高を嫌気し、主力株が売られたことで、日経平均は一時15,500円の節目を割り込みました。
2014年10月30日の日経平均の終値は15,658円です。3月末からの株安は円高・ドル安だけでほぼ説明ができてしまうのです。つまり、株安に歯止めをかけるには、円相場の動向がカギを握ります。
■G20を契機に株価反転へ
3月28日に113円台で推移していたドル円相場は、その後8営業日で一時6円も円高・ドル安に振れています。
財務省幹部も「投機的な動きがある」と述べたと報じられていますが、為替介入はできないと見透かされ、投機的なドル売りで円高に拍車がかかっている面があります。
2月に上海で開かれたG20では、自国通貨安競争を回避することで合意に至っています。来週14~15日にG20がワシントンで開かれるため、G20を前に為替介入はできないとの思惑があります。
来週末のG20で、通貨安競争回避のトーンが和らぐようであれば、為替の投機的な動きが収まり、株価反転の契機となる可能性があります。
小野山 功
日経平均は4月6日までに7日続落し、計1400円超下落しました。日経平均が7日続落したのは3年5ヶ月ぶりで、アベノミクス相場になって初めてのことです。
東証が7日発表した投資部門別売買動向(3月28日~4月1日分)によると、海外投資家は13週連続で日本株を売り越したことがわかっています。
年初からの売り越し額は累計で5兆円を超え、リーマン・ショックで株式市場が大混乱した2008年の年間売り越し金額(3兆7085億円)をすでに上回っています。
強烈な外国人売りに対して信託銀行が買い支えていますが、累計で2.1兆円程度ですので、売りを吸収するには力不足です。
信託銀行を経由して売買注文を入れているのは、日銀や公的年金、さらには企業の自社株買いとみられています。
■為替も株価も「ハロウィーン緩和」前の水準に
このところの日本株は、円相場との相関性が強まっています。為替が2014年10月の日銀「ハロウィーン緩和」前の水準に戻ってしまったことで、株価も当時の水準まで値を落としました。
ハロウィーン緩和前日の10月30日、円相場は対ドルで108円80~109円40銭程度で推移しています。
そこから1年半後の4月7日、ドル円相場は一時107円台後半まで急伸しました。翌8日の東京株式市場では円高を嫌気し、主力株が売られたことで、日経平均は一時15,500円の節目を割り込みました。
2014年10月30日の日経平均の終値は15,658円です。3月末からの株安は円高・ドル安だけでほぼ説明ができてしまうのです。つまり、株安に歯止めをかけるには、円相場の動向がカギを握ります。
■G20を契機に株価反転へ
3月28日に113円台で推移していたドル円相場は、その後8営業日で一時6円も円高・ドル安に振れています。
財務省幹部も「投機的な動きがある」と述べたと報じられていますが、為替介入はできないと見透かされ、投機的なドル売りで円高に拍車がかかっている面があります。
2月に上海で開かれたG20では、自国通貨安競争を回避することで合意に至っています。来週14~15日にG20がワシントンで開かれるため、G20を前に為替介入はできないとの思惑があります。
来週末のG20で、通貨安競争回避のトーンが和らぐようであれば、為替の投機的な動きが収まり、株価反転の契機となる可能性があります。
小野山 功