レンジ割れなら下げ加速

著者:菊川弘之
投稿:2016/04/05 15:51

G20を前に、当局の姿勢を試す流れも

 ドル円は、ここ最近のレンジ(110‐115円)下限の攻防戦に入ってきた。足もとは2014年10月末の黒田バズーガー砲第二弾が放たれた水準で保合っていたが、既に三尊天井型となっており、心理的節目110円と重なる同水準を割り込んでくると、テクニカル的な売りから下げ加速となりそうだ。一目均衡表からは、N=109.99円、V=107.46円、E=106.82円、一目週足で見ると、V=108.53円、E=106.43円などが下値ターゲットとしてカウント可能だ。

 過去4月はドル円のアノマリーデイトも多く、節目になるような動きを見せるケースも見られ、レンジ割れなら一旦、安値の節目を形成するような展開も想定しておきたい。4月14日~15日にワシントンでG20財務相会議が開かれるが、ここまでは単独介入は行い難いなどの思惑から、当局の姿勢を試すような投機的な動きにも注意だ。
菊川弘之
日産証券調査部 主席アナリスト
配信元: 達人の予想