■リスク回避は抑制され、戻り売り優勢な展開に

著者:平野朋之
投稿:2016/03/23 11:02

■中期はソフトランディング的な「ドル=100円台前半」の可能性も

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■ベルギーでの爆破テロで、リスク回避の円買いが先行
しました。

その後は、米国の3月リッチモンド連銀製造業指数が
予想を大きく上回り、2010年以来の高水準に達したことや
シカゴ連銀総裁の講演発言で米経済に対する強さが
確認できたことに対するドル買いが優勢になり、
リスク回避の円買いで下げ分を打ち消しています。


■昨年のパリでの爆破テロ後、半年もたたない間に、
こういった惨事が起きることでユーロ圏に対する
地政学リスクの高まり、そして英国のEU離脱と
いったことからも「不安定増大=不確実性の高まり」が
金融市場を萎縮させているようにみえます。


この影響は、一時的でも円買いが入り、円高リスクを意識し
始めることになります。

つまり、「円高=株安」といったアベノミクスが描いた
方程式とは全く逆の展開で、アベクロバブルの終焉
ともいえる円高がこのあとに待っているようにみえます。


■最近の相場は、連銀総裁発言により米利上げ期待感で下支え
材料になっていますが、逆に言えば、その容人発言がなければ、
一方通行の「円買いドル売り」でリスク回避色が強まり、
世界経済も負の連鎖反応を起こす可能性もあります。


■中期的には・・・、

米国の理想論的に言えば、世界経済の安定を背景に
米国の景気拡大、そして緩やかな追加利上げで、
米国は初の世界的なミニバブルを起こす、その裏側では
ソフトランディング的な「ドル=100円台前半」が相場の
落ち着く可能性もあります。



■本日は、爆破テロでリスク回避を消化していますが、
極度なリスク回避は抑制され、戻り優勢とみています。

しかし、相変わらず、ドルの上値は重さを感じながら
112.50円前後で推移するとみています。




■テクニカル的には、日足ベースで上値ポイントとして、
一目均衡表転換線(112.40円)、基準線(112.76円)、
ボリンジャーバンドセンター(113.01円)とみています。

下値ポイントとしては、112.00円から50銭刻みでの下値を
イメージしています。

平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想