■一目均衡表の先行線(115円)が大きな抵抗

著者:平野朋之
投稿:2016/03/07 11:35

■日欧が金融緩和、米国が金融引き締めとなると・・・


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■注目されていた米雇用統計は、手がかりとなる材料には
ならず、方向感が定まらない取引となっています。

雇用者数に関しては、24.2万人増と予想値(19.0万人増)を
大きく上回ったもののやはり、平均賃金が-0.1%という
微妙な数値がドルの上値を重くしています。


■米景気の先行き見通しも雇用情勢はある程度、
相場に織り込み済みとなっており、やはり平均賃金の上昇が
見られない限りは、利上げをすることで、すぐに個人消費が
失速する恐れがある見方が大勢を占めているようです。


■今後も米雇用統計の見方については、平均賃金に注目が
集まるとみています。

というのも失業率や非農業部門雇用者数に関してはある程度、
景気の土台ができたことで利上げを行ったと判断している
わけですが、インフレ見通しに関しては未知数なところがあり、
もしこのまま利上げすれば個人消費の失速は勿論、
悪いインフレを巻き起こす可能性も否めないとみています。


■また、10日にECBの金融政策の発表があることも、
相場の動きを鈍くさせたとみています。

既に相場参加者は、日欧の金融政策次第で、米国の金融政策の
方向も定まると思っている様に思えます・・。


■日欧が金融緩和、米国が金融引き締めとなれば、
政策の違いでドル独歩高になりかねず、新興国の資金流失が
今まで以上に起きる可能性は十分に考えられます。


■本日は、これといって材料が無いことからも
114円の大台を挟んでの狭いレンジでの取引に
なるとみています。




■テクニカルとしては・・、

日足ベースで上値ポイントとして、ボリンジャーバンド
+1σ(114.20円)、+2σ(114.98円)とみています。

下値ポイント、先週末安値(113.18円)、一目均衡表転換線
(112.80円)とみています。

やはり週間足でも良くわかりますが、115円レベルに
一目均衡表の先行線を示す雲があることからも、
大きな抵抗であることが良くわかります。

本日のチャートはドル円の週間足を掲載しています。

平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想