ドルの上昇基調強まるか?・・・・・

著者:柳澤浩
投稿:2016/03/04 14:55

雇用者数と時給の伸びがカギ・・・・・

昨日の海外市場では、米国で相次いで雇用関連の指標が弱めの数字となり、発表が翌日に迫っていた雇用統計の数字も予想を下回るとの観測につながり、ドルが対ユーロを中心に売られました。この為、日中株価上昇を受けて、欧州時間序盤に114円台前半まで上昇していたドル円も、一時、113円台前半まで反落しました。

その後、個人投資家による押し目買いが入った事や、豪ドル、ユーロ等が対ドルで大幅上昇となった事もあって、クロス円が上昇。これが全般的な円売りにつながった事もあって、ドル円も、113円台後半まで値を戻して、NY時間を終えました。

本日の東京時間には、黒田日銀総裁が、「現時点で、更にマイナス金利を下げる事は考えていない」と述べ、日銀の追加緩和観測が後退と見て、ドル円は一時、113円台前半まで下落。しかし、日経平均株価が約1月ぶりに17,000円台を回復し、現在は113円台後半で底堅く推移しています。

本日の海外時間には、注目の米・2月雇用統計の発表が予定されています。市場予想では非農業部門雇用者数が19.5万人増、時給の伸びが前月比0.2%増となっており、これらが予想を上回れば、チャート上のポイントとなっている2月高値114.87円を上抜け、ドルの上昇基調が強まるものと思われます。
柳澤浩
(株)FXプライム byGMOチーフアナリスト
配信元: 達人の予想