1万6000円台固めから上値目指す、スーパーチューズデーを注視

著者:冨田康夫
投稿:2016/03/01 19:18

明日の東京株式市場見通し

 2日の東京株式市場は、引き続き外国為替相場の値動きに左右される自主性に乏しい地合いとなりそうだ。円相場が1ドル=113円台での推移となれば、投資家心理の改善も予想され、1万6000円台固めから上値を試す展開も予想される。

 ただ、全米の10を超える州で一斉に大統領候補者の予備選挙が実施される「スーパーチューズデー」の結果が徐々に判明する時間帯が、日本の取引時間に当たることから、GLOBEX(シカゴの24時間金融先物取引システム)の米株価指数先物の動きも含めて日経平均株価への影響が想定される。

 1日の東京株式市場は、主力株の方向性が定まらず、売り買い交錯で日経平均株価は前日比プラス圏とマイナス圏を往来する展開となり、結局終値は前日比58円75銭高の1万6085円51銭と小幅反発した。

1日の動意株

 PCIホールディングス<3918>=後場に入って急動意。
プレ放送が開始されたV-Lowマルチメディア放送「i-dio」の関連銘柄として関心が高まっているもよう。同社はきょう、出資するアマネク・テレマティクスデザイン(東京都千代田区)が提供する「Amanekチャンネル」の放送が「i-dio」の中で開始されたことを明らかにした。Amanekチャンネルは、日本初のドライバー専門放送。クルマの走行位置にあわせた15分先の天気予報、ドライブを快適にする音楽、旬の行楽情報やクーポンの配信などを提供する。

 ALBERT<3906>=急伸。
同社はきょう、アクセンチュア(東京都港区)とビッグデータアナリティクス領域で協業すると発表。今後の展開などが期待されているようだ。両社は共同で、人工知能・ディープラーニングを活用した画像解析技術領域で、ソリューションの開発や提案活動を実施する。

 ジグソー<3914>=後場一段高。
電子部品に組み込みソフトを実装し、ネット環境を自動監視するサービスを展開している。IoT(インターネット オブ シングス)社会の普及が進むなかで、組み込みソフトによりセンサーの制御や信号発信などを手掛ける同社の収益機会が膨らんでいる。同社は人工知能(AI)制御によるIoTデータコントロールなどを手掛け、AI関連の一角として今後の成長期待も大きい。

 三浦印刷<7920>=ストップ高。
同社は2月29日取引終了後に、16年3月期通期の連結業績予想修正を発表。営業利益見通しを従来の3億円から4億9000万円(前期比3.1倍)に引き上げたほか、未定としていた期末一括配当を2期ぶりに4円復配する方針を明らかにした。売上高予想は128億円から118億円(同9.6%減)に引き下げたものの、製版部門の本社集約や船橋工場との連携強化など製版一体となった受注・生産体制の構築に努めたことなどが利益を押し上げる。

 寿スピリッツ<2222>=急騰し上場来高値を更新。
同社は北海道の「ルタオ」ブランドなどを中心に地域ブランド菓子を展開する菓子製造販売会社だが、首都圏での販売強化などの重点施策の推進などにより業績拡大路線を走る。東海東京調査センターが29日付で同社のレーティングを「アウトパフォーム」、目標株価6980円で新規カバレッジ開始、これが株高を強く支援するかたちとなった。同調査センターでは、16年3月期通期業績を売上高255 億円(前期比11.4%増)、営業利益32億円(同58.1%増)と予想しており、売上高、営業利益ともに会社計画を上回るとみている。

 ネットイヤーグループ<3622>=ストップ高。
前日も値幅制限いっぱいまで買われており、2月26日にコニカミノルタ<4902>子会社のコニカミノルタビジネスソリューションズと資本業務提携すると発表したことが引き続き材料視されているようだ。 コニカミノルタビジネスソリューションズは、ネットイヤーグループの筆頭株主であるITホールディングス<3626>の事業会社TISから213万200株(自己株式を除く発行済み株式総数の31.07%)を3月28日に取得する予定となっている。
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想