来週28日(木)が相場反転のきっかけに

著者:小野山功
投稿:2016/01/23 11:43

~ 小野山功が見通す「来週の株価材料」 ~

★【日経暴落の犯人が判明か?】来週28日(木)が相場反転のきっかけに

前日までの弱気ムードから一変し、22日の東京市場は急反発となりました。日経平均株価は上げ幅を900円超に広げ、東証1部全体の99%にあたる1,920銘柄が値上がりする全面高でした。

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が21日、3月の次回会合において追加緩和の実施を示唆したことで、日銀も追加緩和に動くのではないかとの期待感が高まりました。

金利敏感株の(8830)住友不動産が10.5%高と急反発し、日経平均採用銘柄で値上がり率が首位に浮上したことから、来週の日銀会合への期待が背景にあったのは間違いないでしょう。

■日経暴落の犯人が判明?

21日には、「英バークレイズが日本の現物株式ビジネスから撤退する」と一部外電で流れ、バークレイズ証券のトレーディング部門が日本株の処分に動くとの連想から、わずか2時間半で700円も値を下げていました。

その結果、日経平均は(日銀が前回金融緩和に動いた)2014年10月31日以来、1年3ヶ月ぶりの水準まで値を落としていたこともあり、3度目の「黒田バズーカ」の可能性がにわかに高まったのもうなずけます。

22日に日経平均株価は941円高と4ヶ月ぶりの上げ幅を見せたとはいえ、前日までの2日間で1000円超下落した反動による面が大きく、週間では188円安と3週続けての下落で終了しています。

昨年末から3,000円超下げていましたので、1000円近く上がったと言えどもまだ3分の1ほど戻したにすぎません。CTAと呼ばれるヘッジファンドの動向に左右される展開が続いています。

CTAはコンピュータの自動売買ツールを駆使し、値動きだけに着目したトレンドフォロー型の売買を行うことで知られています。売買注文に占める空売りの比率が4割超と過去最高水準に膨らんでおり、いつ買戻しに転じてもおかしくない状況でした。

来週の日米金融政策を控えたタイミングでのドラギ発言を受け、ヘッジファンドが「黒田バズーカ」を恐れ、撃ち方やめて売りの手を休めたことが、急反発の背景にあったようです。

■「28日の決算」が相場反転のきっかけに

週明けは(6954)ファナック(6861)キーエンスなど、設備投資に関連する企業の決算発表が予定されています。景気の先行きを占ううえでも重要度が高いため、28日の両社の決算発表が相場反転のきっかけになる可能性があります。

歴史的な暖冬で、今年は熊の冬眠が遅れているとのこと。この週末は各地で今年一番の冷え込みとなる予報ですので、熊(ベア)はそろそろ冬眠してくれと願うばかりです。

小野山 功
小野山功
株式会社SQIジャパン 金融コンサルタント
配信元: 達人の予想