大きく売り込まれた銘柄こそ、来週は狙い目。

著者:小野山功
投稿:2015/12/25 19:10

~ 小野山功が見通す「来週の株価材料」 ~

★【28日から新年相場】大きく売り込まれた銘柄こそ、来週は狙い目。

25日の東京市場で日経平均株価は5日続落。海外勢がクリスマス休暇で商いが細る中、節税を目的とした売りで需給が悪化しました。

株式を売却して値上がり益が出た場合、譲渡益に対して「20.315%」の所得税(復興特別所得税を含む)及び住民税が課せられます。

譲渡益の課税対象になるのは、2015年1月~12月までの間に確定した利益についてのみで、保有したままになっている塩漬け株の含み損が、課税対象の利益から差し引かれることはありません。

そのため、2015年の納税額を少しでも下げようと、含み損を抱えた銘柄には一斉に売りが出ました。

■東証1部は7割の銘柄が値下がり。売買代金も今年最低。

年内の売買は大納会の30日が最終日ですが、受渡しの関係上、実質的な年内最終売買日は3営業日前の25日となります。

この日の日経平均は20円ほどの小幅な下げ幅にとどまりましたが、東証1部全体の70%にあたる1362銘柄が値下がり。新安値も149銘柄に上るなど、体感的には株価指数以上の地合いの悪さでした。

外国人投資家がクリスマス休暇のため不在で、東証1部の売買代金は1兆6049億円と今年最低を更新。日本株の買い手は国内にはいないのかと、不甲斐なさを感じるマーケットでした。

■週明けはNISA資金が下支え。リバウンド狙いが有効。

一方、28日から実質的な新年相場入りとなります。クリスマス休暇明けの海外勢が戻ってくることも想定されるため、過度に売られた反動で、週明けは反発が期待できるのではないでしょうか。

また、週明けからは2016年の受け渡しとなるため、少額投資非課税制度(=NISA)の枠を使った新たな買いも需給面の下支えになることが期待されます。

25日に新安値を更新した銘柄は、(6502)東芝(6753)シャープなど業績悪化で売られていたものもありますが、特段の理由なく売られているものがほとんどです。

225採用銘柄では、(3436)SUMCO(5202)板硝子(6703)OKI(8601)大和証券、(8804)東京建物などが年初来安値を付けました。

これらの銘柄は、「下げていることが理由で売られた」と考えられるため、節税対策で一時的に売られすぎた可能性があります。

週明けは大きく売り込まれた銘柄のリバウンドを狙うのが有効かと思われます。

小野山 功
小野山功
株式会社SQIジャパン 金融コンサルタント
配信元: 達人の予想