木下 晃伸さんのブログ

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【投資脳*海外株】上海の消費品小売総額、1~9月は17.4

■みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
経済アナリスト、木下晃伸(きのした・てるのぶ)です。

■昨日の米NYダウの大幅下落を受け、
世界中の株式市場がまた混沌としてきました。
金融不安が払拭されない中で、景気後退懸念が
現実のものになってきていることが重しとなっています。

※中国への扉、サーチナ
http://searchina.ne.jp/


■そうした投資家の心理を端的に表しているのが、
「恐怖指数」と呼ばれる変動性指数(VIX)。

※CBOE VOLATILITY INDEX(Chicago Options: ^VIX)
http://finance.yahoo.com/q?s=%5EVIX

現在は60ポイント台、という驚異的な数値となっています。
では、過去の危機と呼ばれるタイミングと比較するとどうか。

*****************
1997年10月/アジア通貨危機(38.20)
1998年8月 /ロシア通貨危機(45.74)
2001年9月/アメリカ同時多発テロ(43.74)
*****************

投資家の恐怖度が大変な水準にある、ということが分かります。


■しかし、株式市場の大底というものは、
何度かの試練を乗り越えて形成されるものです。
そのため確かに、米クリスマス商戦の落ち込みが現実のものとなる、
年末から来年初にかけてもう一段厳しい局面を迎える可能性はあります。

しかし、来年は2年続いたマネーの収縮局面が変わる可能性もあります。
悲観論者が増えるということは、
盲目的に投資をしている人が増えているということ。
こういった場面だからこそ、理論武装を行う必要があるのです。

本日は、中国、台湾、ベトナムと、
株価を考える上での理論をお伝えしています。
苦しい市場展開が続きますが、だからこそ、
学ぶ量を増やしていきたいと考えます。


※本資料の利用については、必ずプロフィール画面の
重要事項(ディスクレーマー)をお読みいただいた上ご利用ください。
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●【中国】上海の消費品小売総額、1~9月は17.4%増[経済]
●【台湾】テイクオフ:日本のドラマの中で銀行…[金融]
●【ベトナム・インドシナ】一部業種は国営完全買収も可か、新政令[経済]

※ニュース提供/NNA(http://www.nna.jp/
著者により一部文章が削除、変更されるケースがございます。

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●【中国】上海の消費品小売総額、1~9月は17.4%増[経済]

上海市統計局によると、1~9月の同市の社会消費品小売総額は昨年同期比で
17.4%増の3,349億300万元(約4兆8,550億円)に上った。
伸び率は1~8月の17.2%をわずかに上回った。

業種別では卸売り・小売りが17%増の2,855億6,700万元、
外食産業が20.1%増の482億2,700万元となっている。

特に伸び幅が大きかった分野は、
28.2%増の自動車関連製品(213億8,500万元)、
23%増の住居関連(402億8,200万元)、
17.7%増の食品関連(1,332億5,400万元)など。<上海>

【木下コメント】
世界的に株式市場は暴風域に突入している。
本日も、先日の米NYダウが風邪を引いたような下げを演じると、
日本株もアジア株も、肺炎をこじらせた下げ方をする。

その事態を救う可能性を秘めているのが中国だと考えている。
理由は、米国に依存しなくても済む膨大な自国マーケットに対し、
減税策など当局が施策を打ち出していくと考えられるからだ。
中でも、消費が活発になっていくことは無視できないだろう。

さらに、中国の大多数を占める農民に関しても、
今後所得が拡大していくことが考えられる。
不良債権処理に苦しんでいた中国農業銀行に関しても、
早ければ来年上半期(1~6月)にも
新規株式公開(IPO)に踏み切るとの見方が出てきている。

上場、株式会社化とともに、政府直属の投資会社である中央匯金投資有限公司から
200億米ドル(約2兆260億円)の資金注入を受ける見通し。
あわせて2007年時点で8,179億7,300万元(約12兆1,000億元)
に達している不良債権の処理も行う計画だ。

懸念であった農村問題が少しずつ改善に向かう中で、
中国の存在は世界を救うことになる可能性がある。
目先は溜息が出るような株価下落は、将来に期待すること抜きに耐えられない。
かといって、希望にすがっていても仕方がない。
経済学的な観点から見ても、反発する可能性を秘めている中国は、
十分な期待を持って注目したいと考えている。


●【台湾】テイクオフ:日本のドラマの中で銀行…[金融]

日本のドラマの中で銀行頭取が「小が大を食う合併」と言う場面を思い出した。
金融持ち株会社の富邦金控が、
オランダ金融大手INGの子会社買収を発表した時のことである。
実際に合併する生保の富邦人寿は、資本金や総資産で相手をかなり下回るからだ。

台湾の金融界では近年、経営破たんした中小の銀行を
外資が買い叩き支店を増やしている。
今回はそれとは逆だ。富邦金控は、6月末時点の株式時価総額の7がけでINGを買う。富邦金控の幹部は“3割引”とうれしそう。
不況下だからこその攻めの経営と言うべきか。

ところで、発表日の朝刊トップで買収劇を抜いたのは地元の有力経済紙だった。
さまつなニュースに「独家(スクープ)」と冠することが多い台湾メディアでは、
普段はお目にかかることのない鮮やかな仕事であった。(志)


【木下コメント】
三菱UFJフィナンシャル・グループ、野村ホールディングスなど、
欧米の金融機関が青息吐息になる中で、
世界に打って出る日本の金融機関が登場していることは喜ばしいことだ。

同じ事例が規模こそ違えど、世界中で起きている。
三菱UFJと提携関係にある、台湾第3位の富邦金控だ。
しかし、株価は世界的な株価下落に押しつぶされ、
下落基調を余儀なくされている。

※Fubon Financial Holding Co Ltd. (Public, TPE:2881)
http://finance.google.com/finance?q=TPE%3A2881 

金融機関の復活は、非常に教科書的なもの。
不良債権があれば償却し、耐えられないのであれば、破綻を余儀なくされる。
回避するためには、

1)公的資金を注入、
2)合併・統合して規模を拡大する、

2点を模索するほかない。

結果、強い金融機関はますます強くなることになる。
しかし、株価はいまのところこうした事態をまったく織り込もうとしていない。
欧米金融機関に注目が集まるが、
アジア各国の金融機関へ注目することを忘れてはいけない。


●【ベトナム・インドシナ】一部業種は国営完全買収も可か、新政令[経済]

中央政府はこのほど、国営企業の譲渡と売却について定めた
政令109/2008/ND―CP号を公布した。
同政令は、一部の業種・分野については、
その事業を手掛ける国営企業の完全買収を
外国企業・外国人投資家に認めているという。
完全買収を容認する分野・業種の具体名は明らかになっていないもよう。
22日付べトナム・ニュース(VNS)などが報じた。

政令は一方で、国営企業の株式化や競売に当たって
仲介役となる金融機関や個人が、
国営企業の買収・株式取得を行うことを禁じているとされる。

■「M&Aを後押し」

この政令は、外国企業によるべトナムでの
M&A(企業の合併・買収)促進につながるとみられているもようだ。
計画投資省外国投資局のファン・フー・タン局長は、
「特に(世界市場との)統合と競争の過程で、
べトナムでM&Aの潮流は加速するだろう」と予測。
今後6~10年の間に、
べトナム地場企業の35~50%は合併されるとの見通しを示した。
タン氏は、「計画投資省は関係省庁と協力し、
M&A法制の改善に取り組んでいる」と明らかにしている。<ベトナム>

【木下コメント】
新興国への投資において“民営化”というキーワードは
株価上昇を期待させるものだ。
そして、その前後で“再編”されることで、
強い企業体質が生まれ、株価もついてくる。
中国の株高は、こうした流れによって今までは生み出されてきた。

こうした動きは、かつても起こった。
第一コラムで中国農業銀行のIPOについてコメントしたが、
これも同様の動きといえる。

そうした株高を期待させるニュースがベトナムでも出始めた。
即効性があるわけではないが、高騰から暴落に転じたベトナム株が
再び反発に転じる可能性を期待させる。
外資に開かれた国には、いずれマネーが流れ込む。


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 編集後記
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●苦しい時は読書

理論を構築していくには本が一番いいと考えています。
しかも、金融だけにとどまらず、
金融以外にも目を向けることが大事だと思います。

今は、金融以外としては「複雑な世界、単純な法則」
(マーク・ブキャナン著、草思社刊)を読んでいます。

どうしてこれだけのスピードで情報やマネーが伝播していくのか、
非常に学びが多いと思います。
ご興味がある方はぜひ!

「複雑な世界、単純な法則」(マーク・ブキャナン著、草思社刊)
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4794213859/
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