木下 晃伸さんのブログ

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【投資脳】三菱UFJ、純利益半減、9月中間下方修正へ

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みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
経済アナリスト、木下 晃伸(きのした てるのぶ)です。

■22日の東京株式市場で日経平均株価は4日ぶりに溜息が出る下落となりました。
終値は前日比631円56銭(6.79%)安の8674円69銭で、
下げ幅は今年に入って6番目の大きさ。

これだけ下落しても、「6番目の大きさ」という点に、
投資家の多くはマヒしてしまっているかもしれません。

今日の下落で、昨日、一昨日の上昇が消え去ってしまいました。


■実際、株価下落を予感させる根拠ばかりが目につきます。
具体的には、三菱UFJフィナンシャル・グループの純利益半減予想、
アジア株の大幅安など、投資家の心理を冷やすものばかりです。

では、これらのニュースを見て、何を考えればいいのか。
本日のコラムでお届けしたいと考えています。


※本資料の利用については、必ずプロフィール画面の
重要事項(ディスクレーマー)をお読みいただいた上、ご利用ください。

┏━ 【経済アナリストが斬る!投資に役立つ3大ニュース】 ━━━━━┓

1.三菱UFJ、純利益半減、9月中間下方修正へ

2.香港株大引け・大幅に続落

3.世界販売台数、トヨタ、前年割れに

http://www.terunobu-kinoshita.com/20081022-toushinou.pdf

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1.三菱UFJ、純利益半減、9月中間下方修正へ

(出所)2008年10月22日付日本経済新聞朝刊1面より

 ●米金融恐慌が邦銀にも悪影響
 ●財務安定度の高い三菱UFJですら、純利益半減
 ●株価は1か月前と実は横ばい

三菱UFJフィナンシャル・グループは21日、
2008年9月中間期の業績予想を大幅に下方修正する方針を固めた。
連結純利益は1000億円前後と07年中間期比でざっと半減する見通しだ。
期初の予想は5%増益だったが、景気悪化による不良債権処理損失の増加や
株安による減損処理が響き、大幅減益に転じた。
09年3月通期も下方修正を検討しており、月内にも発表する。
みずほフィナンシャルグループや三井住友フィナンシャルグループも
9月中間期の業績を下方修正する方向で最終調整に入った。

三菱UFJの07年9月中間期の連結純利益は2567億円。
08年9月中間期は、期初予想の2700億円を下方修正して
1000億円ほどになりそうだ。

先週は欧米金融機関の決算が軒並み発表された。
JPMorgan Chase & Co.など財務に安定感が見られる金融機関は、
株価も下落したとはいえ、底堅く推移していた。
また、三菱UFJフィナンシャル・グループはどうか?
たしかに、本日の株価下落は大きいものとなったが、
リーマンショック時から見ると、
株価は日経平均株価や米NYダウに対して底堅く推移している。

三菱UFJフィナンシャル・グループ(ADR)※株価推移を1か月、
指数対比を米NYダウとして比較をしてみてください。
http://finance.google.com/finance?q=NYSE%3AMTU

これだけの業績悪化でもいまだ横ばいで推移していることは
邦銀の金融恐慌は終息に近づきつつあると見ることができるのではないか。
溜息がでるような株価下落も、悲観ばかりする必要はないと考える。


2.香港株大引け・大幅に続落

(出所)2008年10月22日付日経速報ニュースより

 ●香港も上海も大幅続落
 ●金融危機が再燃
 ●投資につきものの“ギャンブル性”が猛威をふるう

22日の香港株式市場でハンセン指数は大幅に続落した。
大引けは前日比774.57ポイント(5.14%)安の1万4266.60と、
17日以来3営業日ぶりに年初来安値を更新した。
終値としては2005年10月28日以来約3年ぶりの安値水準。

特に、総合企業CITICパシフィックが為替取引に絡む損失発生を
嫌気した売りで24.7%安と前日に続き急落したことも、投資家心理を冷やした。
景気の先行き不透明感から不動産株が軒並み大幅に下落。
21日の米原油先物相場の下落をきっかけに石油採掘など
中国本土系の資源株を売る動きも目立った。

※CITIC Pacific  (Public, HKG:0267)株価チャート
http://finance.google.com/finance?q=HKG:0267 

CITICの値動きを見ると、あのリーマンやAIGを彷彿とさせる
いわゆる毎日株価が半値になっていく、という動きだ。
いまや新興国に対する信認は、地に落ちている。
新興国の国債を扱う米ETF「EMB」を見ると、その急落ぶりに驚く。
それは、マネーに対する信認がなくなったと言い換えられる。

※iShares JPMorgan USD Emer Mkt Bnd Fd ETF  (Public, NYSE:EMB)
http://finance.google.com/finance?q=NYSE%3AEMB 

マネーに対する信認がなくなったということは、
いまや投資は“ギャンブル”に近いと言える。
だから、株価も大きく動く。
いつまでこの流れが続くかギャンブルであれば誰も分からない。
だからこそ、理論と分析を背景に、時間を味方につける
大局的な視点を持った投資を心がけていくほかない。


3.世界販売台数、トヨタ、前年割れに

(出所)2008年10月22日付日本経済新聞朝刊1面より

 ●トヨタ自動車、世界販売台数下方へ
 ●世界各国の自動車セクターがマイナスへ
 ●いまはまだ自動車セクター全体へ投資できる環境ではない

トヨタ自動車の2008年の世界販売台数(単体ベース)が
10年ぶりに前年実績を割り込む見通しになった。
米金融危機と世界経済減速の影響で、日米欧での販売不振が続いているため。
08年は850万台の販売を計画しているが、実際は830万台弱にとどまり、
07年実績(843万台)を2%前後下回る見込み。
急成長を続けてきたトヨタの経営は大きな転換点を迎える。

また、独フォルクスワーゲン(VW)など
欧州の自動車大手各社も減産に乗り出している。
世界的な金融危機の影響で、米新車市場の減速に続き、
欧州(西欧の主要18カ国)も9月まで5カ月連続で新車販売が減少しているためだ。

VWは傘下のセアト(スペイン)が11月から
マルトレル工場の生産を5%カットする。
シュコダ自動車もチェコの工場で減産する。
主力のVWブランドの乗用車は減産しない方針だが、
グループ全体では西欧向けが5割を占めており、市場低迷の影響が大きい。
独オペルなどを抱える米ゼネラル・モーターズ(GM)は
独、スペインなどで減産。
フィアットもイタリアの低迷で同国内の工場の生産を減らす。

自動車産業はすそ野が広い。
また、消費動向を表す上でも最も顕著に動きが出る産業だ。
そのため、世界中で消費が冷え込むと株価的には苦しい。
さらに、好調であった新興国でも苦境が取りざたされ、八方塞がりの状態だ。

トヨタ自動車も最終的には、
ショックと呼ばれるほどの業績悪化に見舞われる可能性はある。
それまでは、自動車株全体に対するアゲンストの風が吹き続けるだろう。
保有する投資家も多いトヨタ自動車。
耐えるのであれば、もう一段の下落を覚悟して保有に臨む覚悟が求められる。


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■編集後記
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●ギャンブル

ギャンブルという言葉は、株式投資に必ず当てはまっていると私は考えています。
だから、心理に着目することが非常に重要だ、と考えているわけです。

でも、マネーに対する信認が得られていない中では、
ほぼギャンブルが支配していることになってしまいます。
私たちは、いまそうした環境下で戦っている、
という考えを頭の片隅に置いておく必要があると思います。

では、そうした考えを頭の片隅に置いた上で、何ができるのか。
私は現実に起きている株価推移からヒントを得て、
歴史や哲学、さらには、時代の大きなうねりを捉えていくほかないと考えます。

これだけ乱高下する株式市場であれば、どうしても一喜一憂してしまいます。

だからこそ、理論武装を自分なりに持ち、
仮説を持って投資行動に臨んでいきたいと考えます。


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