ユリウスさんのブログ

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語源の快楽(21) -遠江(トオトウミ)

 今日、上野歩氏のコラムで、遠江(トオトウミ)の語源を知った。

(その一)
 都から近い海が「近江(オウミ)」で、「遠江(トオトウミ)」は都から遠い海のことだとは、知っているひとは知っている。近い琵琶湖と遠い浜名湖でちゃんと話があっている。

(その二)
 では、フグの皮が三重になっているのを知っている人はどれぐらいいるか? 

一番外側が「鮫皮」、
身についているところが「身皮」、
まんなかのゼラチン質のところを「トオトウミ」

と言うらしい。

 翔年は知らなかった。身皮(三河=愛知県中・東部)の隣が遠江(静岡県西部)であることは知っていたが……。真偽はともかく、近江も遠江もたいへん美しい日本語であることは間違いない。古代のわが国の風景が偲ばれる。


近江の海 夕波千鳥 汝が鳴けば 心もしのに いにしへ思ほゆ   柿本人麻呂

近江の海 港八十あり うづく何処にか 君が舟泊て 草結びけむ   万葉集

近江蚊屋 汗やさざ波 夜の床   芭蕉


霰降り遠つ淡海の吾跡川楊刈れどもまたも生ふといふ吾跡川楊   万葉集
※淡海=淡水湖のこと、琵琶湖は淡海の海と表現されていることが多い。
 楊=やなぎ、柳
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