所信表明演説と代表質問に物申す

[ユリウスさん]

　29日衆参両議院の本会議で就任後初の所信表明演説を行った麻生首相と、1日に衆議院の本会議で行われた民主党、小沢代表、鳩山幹事長の代表質問について物申したい。

　まず、麻生首相の所信表明演説の冒頭の表現に異議あり。
１　国権の最高機関による使命、かしこくも、御名御璽(ｷﾞｮﾒｲｷﾞｮｼﾞ)をいただき、92代内閣総理大臣に就任いたしました。」
→　何と言う時代がかったもの言いだろう。今の若い日本人で御名御璽の意味が分かる人が何割いるだろうか？　国会が指名した人を、天皇が形式的に名前と印を押すことでしかない全く無意味な行為を、こうまで大層な表現を用いることに大きな違和感を持つ。

※御名御璽＝一般的に、君主の名前（の署名）及び公印のこと。わが国では官報において公布される法令の天皇の署名・捺印部については「御名 御璽」と表記される。その際、「御名 御璽」は当該文書の題名と同程度の高さに置かれる。その後につづく首相と閣僚の副署は通常のように各行の最下部に署名どおりの実名をもって表記される。
→　上のほうに書くか、下に書くかとか、下らない権威や形式ばかりを重んじる風習の名残りを感じませんか？　

２　「そしてわたしは、決して逃げません。」
→　前任者が二人も逃げたのだから、こう言わざるを得なかった。としたら、首相の地位も軽くなったものだ。

３　「民主党に要請します。緊急総合対策実施の裏づけとなる、補正予算。(中略）検討の上、のめない点があるなら、論拠と共に代表質問でお示しいただきたい。」
→　所信表明演説に民主党への質問を入れたのは極めて異例のことらしいが、いいではないか？　民主党の小沢代表がどう答えるかを国民はよく見たらよい。


　次に、小沢代表の代表質問についていいたい。
１　「一年足らずの間に二人続けて政権を投げ出した自民党の総裁が、総選挙を経ないで３度、首相の座に座っているのは、信じがたい光景だ。」
→　この点については、全く同感。

２　「小泉政権以来の市場万能と弱肉強食の政治で生じたこの格差と不公平を放置すれば、国民生活が崩壊する。」
→　本当にそうであろうか？　こんなに決め付けていい訳がない。よく分析してもわからないことが多いのだが…。

３　「『埋蔵金』も活用し、2009年度に8.4兆円、10,11年度は書く4兆円、12年度には20.5兆円の新財源を生み出す。」
→　本当にこんなことができるのか？　財源はどうするの？　国会の論戦を注視したい。

４　「農業の個別所得補償制度を創設し、林業と漁業も所得補償制度を検討する。中小企業の法人税率を原則半減する。」
→　農業従事者は高齢者が多く、また後継者がいないケースが多い。そこへ所得補償するということは、バラマキ以外のなにものでまない。将来に何も残らない政策だ。反対する。

→　以上見てきたように、小沢さんの代表質問は所信表明演説になっている。麻生首相が質問を投げかけたが、それには答えない作戦と見える。

　上の成り行きを見ると、与野党の国会論戦がかみ合わず、何も生み出さず、時間を空費して、結局解散になりそうな気配が濃厚だ。
国民は浮かばれない。


　鳩山幹事長の質問に一言。
１　「あなたの姿勢は第92代首相として品格に欠ける。」
→　最近、どこでも、かしこでも、「品格」、「品格」と言う人が多いが、翔年はこの言い方は好まない。
　何をもって「品格がある」とするかは、まさしくそれをうるさくいう人の「品格」にかかっているのだから。
　翔年の見るところ、他人の「品格」を云々する人は「貧格」な方々ではないか？