優利加さんのブログ

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米金利の「逆イールド」ショックで株価大幅安に

先週金曜日の米国株は大幅下落した(DJIA -460.12 @25,502.32, NASADQ -196.29 @7,642.67)。ドル円為替レートは110円を切る円高水準まで円高が進んだ。本日の日本株全般は下げた。東証1部では、上昇銘柄数が104に対して、下落銘柄数は2,014となった。騰落レシオは101.40%。東証1部の売買代金は2兆3917億円。

TOPIX -40 @1,577
日経平均 -650円 @20,977円

米国株の大幅下落を受けて、TOPIXも日経平均も大きく下げた。日欧の金利低下と景気指標の悪化も混じり、米国債が一段と買われた。その結果、米長期金利が一段と低下し、10年物が3ヶ月物を下回る「逆イールド」が発生した。これは不況の前兆とされる現象であり、過去30年で3回発生しており、その後、景気が後退した。なぜ逆イードが発生するのか?好景気が終盤に差し掛かると、中央銀行は景気の過熱感を冷やすために短期金利を上げる。他方、債券の投資家は将来の景気後退による金利低下を見越して残存期間が長い長期債を買うため、価格が上昇して利回りは低下する。その結果、短期金利が上がり、長期金利がそれを下回る「長短逆転」、つまり「逆イールド」が発生する。

米10年債利回りは一時2.41%台に下げ、約1年3ヶ月ぶりの低水準となり、2.46%台で推移していた米財務省証券(TB)3ヶ月物を下回った。10年と3ヶ月の金利が逆転するのは2007年8月以来、11年半ぶりである。

世界景気の減速懸念からヘッジファンドなどの短期筋が株価指数先物を売り、上海株も大幅安で始まったため、日経平均は一時700円超下げた。先週末までオプション市場では下値は限定的と見て行使価格20,500円や21,000円のプットを売る動きが優勢だった。しかし、本日の株価急落でプットの売り手による損失回避の先物売りが急増したことも株価下落に拍車をかけた。日柄面からも今週は売りの佳境になるかもしれない。日経平均が高値をつけた昨年10月2日からもうすぐ半年になり、制度信用取引の期日到来が近づいているからだ。さらに、相場の変動率に応じて資産の保有高を変えるリスクパリティ戦略のファンドは、相場が下がるほど売りを出して来る可能性が高い。また、3月期決算銘柄の配当権利付き最終売買日は明日、3月26日である。配当狙いの買いは明日で出尽くす。

日経平均の日足チャートを見ると、株価は10日及び25日移動平均線を大きく下抜けた。辛うじてほぼ横向きの60日移動平均線の上で踏み留まっている。3月8日急落の時と同じである。しかし、12月26日安値と3月11日安値を結んだ上昇トレンドラインも下抜けたため、続落に警戒する必要がある。

33業種すべてが下げた。下落率トップ5は、石油・石炭(1位)、医薬品(2位)、鉱業(3位)、ガラス・土石(4位)、非鉄金属(5位)となった。

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