生クリームにこだわるプロの人は、そりゃ違うと言うだろうが、
一般家庭でなるべく食費を抑えたい向きには、朗報のような気がする。
カルボナーラの場合、どうやら生クリームがないと調理することが熱物理的に難しいと判明してきているので、欠かせないようなのだが。
以下、粉寒天の量と液体の総量の比は、4g:500mlで統一している。
小田真紀子の書籍に出ていた杏仁豆腐には、生クリームが使われている。
これを使わないでできないか、調査・検証してみた。
小田と同じ手順で生クリームを除いて調理すると、不思議なことにやわらかい寒天になってしまうようだ。加熱具合が悪かった可能性もあるのだが。
ネットにて、「牛乳屋さんが作る杏仁豆腐」というのがあって、
まず、調理の手順が小田と違うと判明した。小田の場合には、時短のために最初からすべての材料を鍋に投入し、加熱するスタイル。
一般的には寒天の場合、先に寒天だけを水で完全に沸騰させて溶かすらしい。水ではなく色のついた液体だと、ちゃんと溶けたか判明しにくいので水で溶かすらしい。沸騰したらすぐに弱火にして1~2分加熱する。溶解温度は90~100度。加熱が不足すると固まりにくくなる。その後で、他の材料を追加していく手順になっている。完成した料理は、室温で溶けない。
なお、ゼラチンの場合には、加熱の仕方が寒天と異なり、沸騰などさせると固まる力が損なわれるし、特有の臭みが出てしまうので注意が必要だ。80度以上にしてはイケナイ。また、完成した料理は室温で溶けるので、食べる直前に冷蔵庫から出す。
寒天とゼラチンの特性・調理の違いなどは、
ムラヨシマサユキ「サマー・デザート」成美堂出版に詳しい。
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「牛乳屋さんが作る杏仁豆腐」の手順に従ったが、水の量を200mlではなく100mlにして、減らした分だけ牛乳の量を増やしてみた。正直、沸騰したあと弱火にして1~2分煮ているとき、寒天がちゃんと溶けていないように見えた。水の量が少ないからだろう。次いで、エイヤッと牛乳を少しずつ投入して混ぜていった。
結果、こんな無謀な作り方なのだが、出来上がりは丁度イイ感じ。
フルーツミックス缶をトッピングして、1/5を食してみた。
小田の手順で調理したのと違い、生クリームなしでも柔らかくならない。
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高齢者のフレイル対策として、牛乳の有効利用は有益に思われる。
杏仁豆腐だと果物がトッピングできるなど、より複合的に食材を摂取させることができるので便利。
また、ムラヨシマサユキによると、牛乳に味付けをして凍らせ、かき氷にするとおしゃれなデザートになると紹介されていた。イイ考えだ。