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週末まとめ -9/7/2008-
★アメリカ
週間では、ダウは-2.8%、ナスダック指数は-4.7%、S&P500は-3.2%でした。株価指数のチャートは、7月安値を前にして踏みとどまった感じです。資源価格の下落により、マーケットの注目はインフレ懸念から世界的な景気減速へと変わってきました。
今週は、資源関連、新興国関連の銘柄が世界的に大きく売られました。画像2左下のチャートは、XOM(エクソンモービル)、CAT(キャタピラー)、AA(アルコア)、X(USスチール)、BHP(BHPビリトン)、MT(アルセロール・ミッタル)、^GSPC(S&P500)、の5daysチャートです。アルセロールミッタルなんて20%近く下がってますね。
ヘッジファンドの清算などもあったのでしょうけど、結局、第一次産業、第二次産業のブームは終わり、ということなのでしょう。2000年以降の動きを振り返ると、ITバブル崩壊と911テロによるショックを救うため、FFレート1%という超低金利政策を実行、住宅バブルを誘発し景気回復を狙う。住宅バブルにより実力以上に消費活動を行えるようになったアメリカに、ちょうど力をつけてきた新興国が資源・工業製品をどんどん輸出して貿易黒字を稼ぎ豊かに。そのため、みんなハッピーなゴルディロックス経済となり、その中でも、資源、素材、工業といったところは大きく恩恵を受けてきたわけですが、世界的に景気が減速していく中でこれらについては一相場終わったってことなのでしょう。今後は何を中心にして景気を再加速していけば良いのか、いまいち見通しが立ちません。相場になるのは、第三次産業なのでしょうけど、経済全体のことを考えると、第三次産業が牽引役になれるのかなぁと。ハイテクやヘルスケア、新興国の内需のサービス業など、個別で見ればたしかに有望だと思いますが・・・。第一次産業、第二次産業、あと米住宅市場、これらはパイが非常に大きいわけで、先進国がぐったりしている現在、これらに代わって世界経済を牽引していけるものは何があるのかなと考えています。
ちなみに、資源、素材、工業といったところの業績は過去の景気後退時ほどにはズタボロにはならないのではないかと思います。例えば、住金が50円になったりはしないと思います。今の世界経済って、中途半端に強いんですよね。だから景気が悪い悪いと言われつつも、インフレがなかなか収まらないのですが。これらの業種は緩やかに主役の座から退いていくのでしょうけど、結構しぶといと思います(当然、高値更新は難しいでしょうけど)。あ、でも強気ってわけではないです。中長期では買いたくないですね。ただ、今から空売りしてウハウハに儲かるかと言うとどうかな?と思うわけです。
リーマンは周辺が騒がしくなっています。新会社を設立し資産を移し、優良債権を引き継ぐ「グッドバンク」と、不良債権を引き受ける「バッドバンク」に分割することを検討しているようです。また、大手PEファンド、韓国産業銀行、三菱UFJ、野村HD、HSBCがリーマンへの出資を検討しているようです。余裕のあるやつは問題児の尻拭いをしてくれということなのか、純粋に投資銀行部門に興味があるのか・・・。
ヘッジファンドの破綻が話題になっているようですが、ヘッジファンドなんて毎年何百と破綻しているのですから、まあそんなに恐れる必要はないと思います。彼らのポジション整理によりファンダメンタルズ以上に売られたならば、相場はじきに戻ります。(ファンダメンタルズ相当だったら戻りません。)
金曜日に雇用統計が発表されました。非農業部門雇用者数は前月比で8.4万人減、失業率は6.1%となりました。失業率が6%を超えたのはインパクトがありますが、失業率は株価にとっては遅行指標で、失業率がピークの時にはすでに株価は底打ちしている傾向があります。前回のリセッション時の失業率のピークは、2003年6月の6.3%です。雇用者数の増減の方が株価と連動しやすいので、こっちに注目していった方が良いでしょうね。雇用者数の減少幅が小さくなってくると株価も戻るのではないかと思います。ちなみに、2001年後半には雇用者数の前月比減少幅は30万人を超えていました。今回のリセッション(とは宣言されていませんが)では、まだ多くて10万人減程度なので、このままマイルドな雇用調整が続くのか、それとももう一段悪化するのか、要注目だと思います。
金曜日の米株式市場の引け後に、フレディマックとファニーメイへの政府支援が早ければ今週末にも発表されるのではないかというニュースが流れました。内容についてははっきりしていないのですが、今のところ出ている情報では、両社を政府管理下へ置く、経営陣を入れ替える、公的資金を段階的に入れていく、といった方策になるようです。このニュースを受けて、フレディマック、ファニーメイの株価は時間外取引で20%くらい下落しました。政府の救済により既存の普通株は大幅な希薄化により価値がほとんどなくなるか、もしくは無価値になる可能性があるからです。政府としては世論を考えれば、両社は暗黙の政府保証をバックにして利益を上げてきたのだから、最もその恩恵にあずかった経営陣と株主は救ってはダメということなのでしょう。だって血税を投入するのですから。しかし、何でこのタイミングに動きだすのだろうと思います。WSJには、党大会の終了に合わせてと書いてありますが、水面下で何かまずいことがあったのか?と勘ぐってしまいますね。
このニュースが流れた後の反応は、ナスダック100指数は、時間外取引で+7.4ポイント。いわゆるグロベのNASDAQ100先物が+7.50してるくらい。日経平均だと+50円相当ですかね。為替も、ドル高、円安へ動いていました。
U.S. Near Deal on Fannie, Freddie
http://online.wsj.com/article/SB122064650145404781.html
★日本
週間では、日経平均は-6.58%、TOPIXは-6.68%と大幅下落となりました。海外市場と同様に、資源関連、新興国関連に売り込まれる銘柄が目立ちました。ヘッジファンドの破綻も噂され、火曜日には日経平均先物が急落するなど変な動きがありました。株でも資源高に賭けるようなポジションをとってたところが多かったのでしょうか。商社・非鉄・建機買い、ゴム・製紙・電力売り、というポジションが考えられますね。
月曜日には福田総理の辞任が発表されました。全体相場の下落は米国市場に連動したのであって、福田総理の辞任はあまり影響なかったと思いますが、決してポジティブなことではないですよね。次期総理の可能性が高いとされる麻生氏関連の銘柄が買われていました。
資源関連銘柄の下落もそうですが、日経平均についても、ファンダメンタルズの悪化とともにレンジが一段下がったと思います。今年の上値は13500円程度になりそうです。下値はとりあえず12000円だと思いますが、9月の需給の悪さを考えると、もうちょっと下もあるかもしれません。
韓国の9月通貨危機が噂されていて、通貨安が進んでいます。9/3の日記にまとめてありますので、ご参考まで。
★為替
円最強の一週間でした。ドルも強かったですね。ショートの巻き戻しがあるのでしょう。ユーロ、ポンド、豪ドルなど対円で急落していました。豪中銀は7年ぶりに利下げを行いました。ECB、BOEは金利据え置きでしたが見通しは弱め、最近の経済指標も弱い内容が続いています。まあ、長期では円安だと思うので、10年チャートで見て十分調整が済んだと思った位置で、この辺の通貨に買いを入れるのが良いと思います。
★商品
世界的な景気減速懸念やヘッジファンドの破綻の噂により原油価格は下落しました。ほとんどリバウンドせず、あっさりと110ドルを割りました。次は100ドルを割るかどうかですね。ここのサポートラインは強そうです。
★今週の予定
8日(月)
8月景気ウォッチャー調査(日)
9日(火)
7月中古住宅販売保留(米)
10日(水)
8月企業物価指数(日)
7月経常収支(日)
11日(木)
7月機械受注(日)
新規失業保険申請件数(米)
7月貿易収支(米)
8月輸入物価指数(米)
12日(金)
8月生産者物価指数(米)
8月小売売上高(米)
9月ミシガン大消費者信頼感指数(米)
週間では、ダウは-2.8%、ナスダック指数は-4.7%、S&P500は-3.2%でした。株価指数のチャートは、7月安値を前にして踏みとどまった感じです。資源価格の下落により、マーケットの注目はインフレ懸念から世界的な景気減速へと変わってきました。
今週は、資源関連、新興国関連の銘柄が世界的に大きく売られました。画像2左下のチャートは、XOM(エクソンモービル)、CAT(キャタピラー)、AA(アルコア)、X(USスチール)、BHP(BHPビリトン)、MT(アルセロール・ミッタル)、^GSPC(S&P500)、の5daysチャートです。アルセロールミッタルなんて20%近く下がってますね。
ヘッジファンドの清算などもあったのでしょうけど、結局、第一次産業、第二次産業のブームは終わり、ということなのでしょう。2000年以降の動きを振り返ると、ITバブル崩壊と911テロによるショックを救うため、FFレート1%という超低金利政策を実行、住宅バブルを誘発し景気回復を狙う。住宅バブルにより実力以上に消費活動を行えるようになったアメリカに、ちょうど力をつけてきた新興国が資源・工業製品をどんどん輸出して貿易黒字を稼ぎ豊かに。そのため、みんなハッピーなゴルディロックス経済となり、その中でも、資源、素材、工業といったところは大きく恩恵を受けてきたわけですが、世界的に景気が減速していく中でこれらについては一相場終わったってことなのでしょう。今後は何を中心にして景気を再加速していけば良いのか、いまいち見通しが立ちません。相場になるのは、第三次産業なのでしょうけど、経済全体のことを考えると、第三次産業が牽引役になれるのかなぁと。ハイテクやヘルスケア、新興国の内需のサービス業など、個別で見ればたしかに有望だと思いますが・・・。第一次産業、第二次産業、あと米住宅市場、これらはパイが非常に大きいわけで、先進国がぐったりしている現在、これらに代わって世界経済を牽引していけるものは何があるのかなと考えています。
ちなみに、資源、素材、工業といったところの業績は過去の景気後退時ほどにはズタボロにはならないのではないかと思います。例えば、住金が50円になったりはしないと思います。今の世界経済って、中途半端に強いんですよね。だから景気が悪い悪いと言われつつも、インフレがなかなか収まらないのですが。これらの業種は緩やかに主役の座から退いていくのでしょうけど、結構しぶといと思います(当然、高値更新は難しいでしょうけど)。あ、でも強気ってわけではないです。中長期では買いたくないですね。ただ、今から空売りしてウハウハに儲かるかと言うとどうかな?と思うわけです。
リーマンは周辺が騒がしくなっています。新会社を設立し資産を移し、優良債権を引き継ぐ「グッドバンク」と、不良債権を引き受ける「バッドバンク」に分割することを検討しているようです。また、大手PEファンド、韓国産業銀行、三菱UFJ、野村HD、HSBCがリーマンへの出資を検討しているようです。余裕のあるやつは問題児の尻拭いをしてくれということなのか、純粋に投資銀行部門に興味があるのか・・・。
ヘッジファンドの破綻が話題になっているようですが、ヘッジファンドなんて毎年何百と破綻しているのですから、まあそんなに恐れる必要はないと思います。彼らのポジション整理によりファンダメンタルズ以上に売られたならば、相場はじきに戻ります。(ファンダメンタルズ相当だったら戻りません。)
金曜日に雇用統計が発表されました。非農業部門雇用者数は前月比で8.4万人減、失業率は6.1%となりました。失業率が6%を超えたのはインパクトがありますが、失業率は株価にとっては遅行指標で、失業率がピークの時にはすでに株価は底打ちしている傾向があります。前回のリセッション時の失業率のピークは、2003年6月の6.3%です。雇用者数の増減の方が株価と連動しやすいので、こっちに注目していった方が良いでしょうね。雇用者数の減少幅が小さくなってくると株価も戻るのではないかと思います。ちなみに、2001年後半には雇用者数の前月比減少幅は30万人を超えていました。今回のリセッション(とは宣言されていませんが)では、まだ多くて10万人減程度なので、このままマイルドな雇用調整が続くのか、それとももう一段悪化するのか、要注目だと思います。
金曜日の米株式市場の引け後に、フレディマックとファニーメイへの政府支援が早ければ今週末にも発表されるのではないかというニュースが流れました。内容についてははっきりしていないのですが、今のところ出ている情報では、両社を政府管理下へ置く、経営陣を入れ替える、公的資金を段階的に入れていく、といった方策になるようです。このニュースを受けて、フレディマック、ファニーメイの株価は時間外取引で20%くらい下落しました。政府の救済により既存の普通株は大幅な希薄化により価値がほとんどなくなるか、もしくは無価値になる可能性があるからです。政府としては世論を考えれば、両社は暗黙の政府保証をバックにして利益を上げてきたのだから、最もその恩恵にあずかった経営陣と株主は救ってはダメということなのでしょう。だって血税を投入するのですから。しかし、何でこのタイミングに動きだすのだろうと思います。WSJには、党大会の終了に合わせてと書いてありますが、水面下で何かまずいことがあったのか?と勘ぐってしまいますね。
このニュースが流れた後の反応は、ナスダック100指数は、時間外取引で+7.4ポイント。いわゆるグロベのNASDAQ100先物が+7.50してるくらい。日経平均だと+50円相当ですかね。為替も、ドル高、円安へ動いていました。
U.S. Near Deal on Fannie, Freddie
http://online.wsj.com/article/SB122064650145404781.html
★日本
週間では、日経平均は-6.58%、TOPIXは-6.68%と大幅下落となりました。海外市場と同様に、資源関連、新興国関連に売り込まれる銘柄が目立ちました。ヘッジファンドの破綻も噂され、火曜日には日経平均先物が急落するなど変な動きがありました。株でも資源高に賭けるようなポジションをとってたところが多かったのでしょうか。商社・非鉄・建機買い、ゴム・製紙・電力売り、というポジションが考えられますね。
月曜日には福田総理の辞任が発表されました。全体相場の下落は米国市場に連動したのであって、福田総理の辞任はあまり影響なかったと思いますが、決してポジティブなことではないですよね。次期総理の可能性が高いとされる麻生氏関連の銘柄が買われていました。
資源関連銘柄の下落もそうですが、日経平均についても、ファンダメンタルズの悪化とともにレンジが一段下がったと思います。今年の上値は13500円程度になりそうです。下値はとりあえず12000円だと思いますが、9月の需給の悪さを考えると、もうちょっと下もあるかもしれません。
韓国の9月通貨危機が噂されていて、通貨安が進んでいます。9/3の日記にまとめてありますので、ご参考まで。
★為替
円最強の一週間でした。ドルも強かったですね。ショートの巻き戻しがあるのでしょう。ユーロ、ポンド、豪ドルなど対円で急落していました。豪中銀は7年ぶりに利下げを行いました。ECB、BOEは金利据え置きでしたが見通しは弱め、最近の経済指標も弱い内容が続いています。まあ、長期では円安だと思うので、10年チャートで見て十分調整が済んだと思った位置で、この辺の通貨に買いを入れるのが良いと思います。
★商品
世界的な景気減速懸念やヘッジファンドの破綻の噂により原油価格は下落しました。ほとんどリバウンドせず、あっさりと110ドルを割りました。次は100ドルを割るかどうかですね。ここのサポートラインは強そうです。
★今週の予定
8日(月)
8月景気ウォッチャー調査(日)
9日(火)
7月中古住宅販売保留(米)
10日(水)
8月企業物価指数(日)
7月経常収支(日)
11日(木)
7月機械受注(日)
新規失業保険申請件数(米)
7月貿易収支(米)
8月輸入物価指数(米)
12日(金)
8月生産者物価指数(米)
8月小売売上高(米)
9月ミシガン大消費者信頼感指数(米)
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先ほど、支援策が財務省から発表されました。両社は当局の管理下に入る、経営陣は入れ替え、既存の普通株・優先株の配当は停止、両社のMBSを財務相が買い入れる、両社の優先株を財務相が買い資本増強する、といった内容です。
財務省による優先株の購入については、WSJにだけ以下の記述がありました。内容がよくわからないのですが、まずは10億ドルで、将来的には 79.9%まで出資ってことですかね。既存の株主価値が具体的にどうなるかは結構重要なのですが、broombergやreuterには書いてないんです。ポールソンの声明文を読んでも無かったですし。
The Treasury said its senior preferred stock purchase agreement includes an upfront $1 billion issuance of senior preferred stock with a 10% coupon from each GSE, quarterly dividend payments, warrants representing an ownership stake of 79.9% in each firm going forward, and a quarterly fee starting in 2010.
http://online.wsj.com/article/SB122079276849707821.html
相変わらずリーマン周辺のニュースが聞こえてきます。
ファニメやフレディの救済策は、借り換えの関係で出てきたの
でしょうか、それともリーマン絡み・・?
どちらにも関係なくとも、裏で思惑が交錯するのでしょうね。
今週金曜日はメジャーSQだし、3連休前。週明けにはモルスタ、
GS、リーマンの4Q決算発表も控えて、前寄り以降は寂しい商い
になりそうな感じもします。
とりあえず救済策に注目します。
「Killing Me Softly with his song」・・・穏やかなタイトルではないなと思いながら聴き始めたところ、スタンダードなナンバーだったんですね。歌は知っていましたが、タイトルは全く知りませんでした。
Roberta Flackの歌声もいいですね。紹介していただきありがとうございます。
また、お邪魔します。
Roberta Flack / Killing Me Softly with his song