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公示地価

公示地価:商業地の上昇加速、訪日客で銀座最高値-調整間近の見方も

2017年3月21日 16:50 JST

三大都市圏は4年連続上昇-商業地3.3%、住宅地0.5%
ビルなど商業用不動産の投資利回り低下、マンションは販売不振
東京・大阪・名古屋の三大都市圏の商業地、住宅地の価格は4年連続で上昇し、中でも商業地は年々上昇ペースが加速している。超低金利に加えて、訪日外国人客の増加や東京五輪を控えた再開発ブームが背景にある。

  デフレ脱却を目指す安倍政権の誕生から4年余り。しかし、日本銀行の超金融緩和で地価が上昇し続けた結果、専門家の間では地価の調整局面が近づいているとの見方が出てきた。
  国土交通省が21日発表した公示地価(2017年1月1日時点)によると、三大都市圏は商業地が前年比3.3%上昇(16年は2.9%上昇)、住宅地は同0.5%上昇(同0.5%上昇)した。地方圏も含めた全国ベースでは住宅地が9年ぶりにマイナスから脱し、商業地は2年連続プラス。



13年14年15年16年17年
三大都市圏の住宅地-0.6%0.5%0.4%0.5%0.5%
三大都市圏の商業地-0.5%1.6%1.8%2.9%3.3%
 

 国交省は地価上昇の背景として、低金利環境のほか、訪日観光客の増加や再開発需要を挙げている。日本政府観光局によると、16年の訪日外国人数は約2400万人で統計開始の1964年以来最多。都内ではホテルや大型商業施設の開発計画が相次ぎ、銀座の地価は90年前後のバブル期を超え、かつてない水準に達した。地価最高額の銀座4丁目の山野楽器銀座本店は1平方メートル当たり5050万円(前年比26%上昇)で過去最高を更新した。
  国交省によると上昇地点の比率は商業地が7割超、住宅地は5割近くある。みずほ証券の石沢卓志上級研究員は、上昇が続いていることから「地価は変わり目にある。これから先は若干調整する可能性がある」と分析。マンションの販売不振による住宅地価格への影響を注視するとともに、商業地についてもオフィスビルなどは価格の大幅上昇で収益率が低下し、投資意欲が後退する可能性を指摘している。
再開発
  都内では大型再開発事業が相次いでいる。訪日観光客の増加を背景に松坂屋銀座店跡地を中心とする大規模商業施設「GINZA SIX」が4月にオープンするほか、三菱地所は今後10年をめどに東京駅前に地上390メートル、日本一の高さとなる超高層ビルを建設する予定。

  銀座で創業100年以上の不動産会社、小寺商店のデータでは人通りが多い銀座4丁目交差点付近の推定取引価格(16年)は坪当たり1億8000万円で、安倍政権が実働開始した13年から5割上昇した。児玉裕社長は、中国人観光客らによる爆買いは失速しているものの、「訪日客数自体は増加し、ホテルは採算が取れる」として、開発計画が多いと語る。
  名古屋でも27年のリニア中央新幹線開通に向けて高層ビルの竣工が続き、観光・ビジネス客の増加期待から地価が上昇し、同市中村区の商業地は3割値上がりした。大阪は道頓堀を筆頭に全国の商業地上昇率1-5位を占めた。
  ただ、米総合不動産サービスのJLLによると、東京のオフィスビルは価格上昇に伴い投資利回り(16年第4四半期)が3%を下回っており、16年の商業用不動産投資額は2年連続減少の3兆6700億円を見込んでいる。
住宅地
  低金利環境や住宅ローン減税などの施策による下支え効果で、住宅地は上昇が続いている。同省によると、東京23区の平均価格は1平方メートル当たり54万9000円となり、「ファンドバブル」と呼ばれた直近ピーク(08年公示地価)の95%の水準に回復してきた。
  一方、物価を加味した実質賃金が伸び悩む中、価格が高騰した首都圏の新築マンションは売れ行きが落ち込んでいる。不動産経済研究所によると16年の発売戸数は09年以来の4万戸割れで、都区部は2割減った。タワーマンションや高額物件が多い都心3区(千代田、中央、港)の住宅地は上昇率が低下した。
  地方圏でも地価は回復傾向にある。不動産価格上昇の目立つ三大都市圏から、地方の中核的な都市にも投資資金が移動。札幌、仙台、広島、福岡の4都市は地下鉄など交通インフラの整備による利便性の向上もあって、住宅地が2.8%、商業地が6.9%それぞれ上昇し、4年連続のプラスだった。


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