月影 隼人さんのブログ
抗がん剤「P-THP」
がん治療にとって大事なことは、QOL(Quality of Life:生活の質)×生存期間である。
つまり、生活のレベルを落とさず、できるだけ長く生きること
抗がん剤とは、患者を生きるか死ぬかの瀬戸際まで追い込んで、運良く腫瘍の方が先に死んでくれればラッキーという、まるでバクチのような「薬」なのである
副作用のない抗がん剤が「P-THP」といって、開発者は前田浩教授(熊本大学名誉教授・崇城大学DDS研究所特任教授)である。
2011年には優れた研究者に与えられる「吉田富三賞」を受賞し、2015年のノーベル賞候補と目された人物だ。
実は、P-THPに使われているピラルビシンは、特許が切れた古い抗がん剤である。
P-THPのPはポリマーで、THPはピラルビシン。つまり、ピラルビシンに、高分子のポリマーをくっつけたという意味だ。
簡単にいえば、P-THPとはこれだけである。たったこれだけで、在来型の抗がん剤とすっかり変わってしまったのだ。
実験では、通常の抗がん剤と比較すると、腫瘍の内部にその数百倍もの薬剤が取り込まれている。
まるでトロイの木馬のように入り込んでがん組織を攻撃するのがP-THPなのだ。
副作用がないことによるメリットはたくさんある。
たとえば、一般的に抗がん剤治療を行うと食欲がなくなり、やせ細って苦しむというイメージがあるが、どういうわけかP-THPは、治療を受けたその日にラーメンや焼き鳥を食べに行く患者が多い。
理由はわからないが、食欲が増進するらしい。食欲があるのとないのでは予後がまったく違う。口から食べられるうちは元気なのである。
こんなすごい抗がん剤なら、なぜ保険薬にならないのだろうか。
保険薬にするには製薬会社が関わる必要がある。ところが、P-THPに使われた抗がん剤は、古い抗がん剤で薬価も決まっているから、何千万という高額な値段をつけられない。つまり、企業にとって大きな利益をもたらさないということである。
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2016年から生産量があがったとの事ですが、まだ認可されたわけではない為、とても少ない状態です。
また、自由診療という形になる為保険がきかず、1回あたり7万円〜10万円かかります。
そして2週間に1回はこの薬を投与しなければなりません。
1回10万として5~6回投与で効果が出るのなら試してみたくなりますよね
それで忘れないように備忘録に記録しました