ユリウスさんのブログ

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大きな想定ミス二つ  -英国EU離脱とソフトバンクの後継者-

 「将来予測をするのが好きだ」と言ったら、「大口をたたくのはよせ!」とお叱りを受けるかもしれません。が、実際好きなのです。

 それで、このBlogでも、たまに大きな「地球環境問題」、「エネルギー問題」、「食糧問題」や政治課題、「マスコミ批判」や「人物評」など、非力を顧みず臆せず書いてきました。

 ところが、今回は大きな判断ミスを犯しました。それは詳細に検討して判断するまでもないと判断していたからです。(笑) 年のせいにはまだしたくありません。




第一のミス: 英国のEU離脱
 英国のEU離脱の投票結果をミスりました。 本来、EUは二度の世界大戦を経験したヨーロッパ諸国が「国の枠を超えて戦争を起こさないように、できるだけ域内のヒト、モノ、カネをうまく経済運用しよう、できれば通貨も一つにしよう」として構築されています。翔年は基本的に次の戦争を回避できる素晴らしい人類の英知であると思っています。ただ、現実には理想が非常に高いと考えざるを得ません。国の独立性の制限、文化的背景の差異、経済力の強弱など異質な国が集まって、果たしてEU域内をうまく経済運営できるのか、これは人類にとっての大きなテストケースでしょう。リーダー層の相当の努力と叡智が発揮されなければ、いずれ団結はほころびが生じるのではないかとと危惧してます。

 今まで表面に現れたのは、通貨の単一(ユーロ)問題、すなわち経済競争力の弱いギリシャなどの国の財政問題でした。通貨が一つに統一されているので、国の主権である独自の通貨政策がとれません。経済強国のドイツやフランスは現在の通貨レイトは非常に楽、国際競争力では負けるはずがありませんが、経済基盤の弱い国は青息吐息です。
 
 例えば日本では東京や大阪の大都会が稼いだお金が日本政府を通じて沖縄や鳥取に流れますが、EUでは国が違うのでドイツからギリシャにはお金は流れませんから。





 ところが、イギリスはちょっと違います。イギリスはEUには加盟していますが、統一通貨ではなく、自国通貨のポンドを確保しています。だからイギリスは国としての主権制限や移民問題があるにせよ、残留派が勝つだろうとたかをくくって見ていました。

 あいかわらず、マスコミは連日離脱問題を報道してましたが、離脱だ、残留だ、離脱になったら大変と騒いでいるだけと軽視してました。(データーに基づく分析がほとんど無し)
 それで、23日の朝のWebで、残留派が2ポイントほど優勢という最新情報を確認し、株式市場も寄付きから小幅上昇傾向にあったのを見て、安心して大阪へ出かけました。大甘でした。(笑)

 最近のグローバル潮流の「新帝国主義」(特に中国やロシア)、「各国に芽生えている新ナショナリズム」や「IS国」や「政治的ポピュリズムの蔓延(いい例が米国大統領選、マスコミが加担)」などを軽視していたと反省しています。







第二のミス:ソフトバンクのニケシュ副社長の突然の退任
 ソフトバンクの株主総会が22日にありました。ところがその前日にソフトバンクから、副社長のニケシュ・アローラ氏が突然退任するという情報がもたらされた。それによると、孫社長とニケシュが話し合って決めたという話でした。

 株主総会の第2号議案は二人の再任(取締役は全部で8人)が会社提案としてすでに株主に通知されていたのですから、これは異例中の異例なこと、何かあるのでは?と思いました。

 2014年9月にグーグルの役員だったニケシュを氏を孫社長が後継者候補として迎え入れたばかりでした。もともと、孫さんの経営手腕は抜群でしたが、それだけにワンマンの後継者が育っていなくて不安がありました。特にソフトバンクが米国のスプリント社を傘下におさめて世界一の通信会社を目指すためには、どうしても必要な人材がこの人だったのですから。(世界中に人脈あり、特にインドに強い)

 孫社長は株主総会で自分のわがままだ。やり残した仕事があるので、あと5年~10年は社長をやりたい…。こう説明したそうです。

 実情は分かりませんが、自分で相応しい後継者を見つけて、他社から引き抜いて高額報酬でもてなし、彼に海外企業の買収など、彼の人脈を使って相当の仕事をさせて、さてこれからという時に、クビにするとは我が儘ではすまないのではないでしょうか?

 悪く考えたくないですが、ニケシュ氏から見たら騙されたとも見えるでしょう。翔年はまだ若い(59歳)孫さんだけど、判断力は大丈夫?と疑念がよぎりました。(笑)

 それでも22日の株主総会は波乱なく終わったそうですし、23日朝がたの株式市場もこの異例ともいえる事件にも平静な受け止めをしているようでした。この辺はどなたも孫社長に抜群の信頼感をお持ちなのはうなずけます。翔年も同じように考えましたが、当面は大丈夫としても、大国際企業への道を踏み出しているソフトバンクにやや疑問符が付きました。    

 ここへきて孫社長にこんな意思決定の乱れがでるとは想像もしていませんでした。かつて故松下幸之助さんも、高齢になってから「朝令暮改」事件がありました。さすが、経営の神様、すぐに風波は収まりましたが…。




蛇足:汚名挽回、といっても過去のはなしです。(笑)
 今回は想定ミスを二つもしましたが、例えば東京都知事関係では下のエントリーで、舛添知事が何のために韓国大統領に会いに行ったのか、この男に何ができる?と人物を見て書いています。
 もし、この時点から、マスコミが東京都知事として韓国大統領とどんな話をし、何をギブ&テイクしたのか? 東京都知事としてその仕事内容はふさわしいものであるのか、きちんと取材で裏付けた見識ある報道をして欲しかったと思います。都議会も取材して評価すれば、今回の事件は防げたと思います。 そういう力のあるクオリティ紙があれば高くても買いたい! 残念ながらわが国にはありません。

(過去データ)
2014/01/19 『おかしな都知事選挙 -話題だけが先行』
2014/07/26 『恥ずべき姿 -舛添東京都知事-』 





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