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3月4日の海外株式・債券・為替・商品市場
3月4日の海外株式・債券・為替・商品市場
2016/03/05 07:53 JST
◎NY外為:ドル下落、米雇用増より平均時給の減少を重視
4日のニューヨーク外国為替市場ではドルが主要通貨の大半に対して下落。ドル指数は4カ月ぶり低水準となった。米雇用者の伸びは市場予想を上回ったものの、予想外の平均時給減少の方が材料視された。強弱まちまちの内容となった2月の米雇用統計は、今月会合を開く連邦公開市場委員会(FOMC)の景気判断材料に含まれる見通しだ。ドルは対円ではほぼ変わらずで終えた。
USバンク・ウェルス・マネジメントの債券調査責任者、ジェニファー・ヴェイル氏(オレゴン州ポートランド在勤)は「ドルは強さを見せたものの、反転した」と指摘。雇用統計は「賃金の伸びが持続可能な軌道を進んでいるのかについて懸念をもたらした」と述べた。
ドル指数は2月に月間ベースで1.8%低下と、2015年4月以降で最大の下げとなっていた。世界的な成長減速が米経済の足かせになるとの懸念が強まった。
ニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前日比0.3%低下の1214.05と、5日連続の下げ。一時は0.2%上昇する場面もあった。
ドルは対ユーロで0.4%安の1ユーロ=1.1005ドル。週間では0.7%安。ドルは対円では前日比ほぼ変わらずの1ドル=113円74銭。
米労働省が発表した2月の雇用統計によると平均時給は前月比0.1%減と、約1年ぶりのマイナス。前年同月比では2.2%増で、伸びは市場予想の2.5%増に届かなかった。
CIBCワールド・マーケッツの外為戦略ディレクター、バイパン・ライ氏(トロント在勤)は「賃金インフレが予想していたほどしっかりしていないことを除けば、今回の統計は何ら新しい認識を市場に与えなかった」と述べた。
2月の非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比24万2000人増。前月は17万2000人増(速報値15万1000人増)に上方修正された。失業率は前月から変わらずの4.9%で、8年ぶり低水準。
サクソバンクの通貨戦略責任者、ジョン・ハーディー氏は雇用統計を受けて「ドルは困惑しているみたいだ」と指摘。「ヘッドラインの雇用の数字は堅調だったが、平均時給の減少にはかなりがっかりさせられた」と述べた。
◎米国株:10月以降で最長の4日続伸-雇用統計は強弱混在
4日の米国株式市場ではS&P500種株価指数が続伸。昨年10月以来で最長となる4日連続高だった。朝方発表された2月の米雇用統計では賃金が前月から減少したものの、投資家は雇用者増の拡大を好感し、米経済が世界的な減速を乗り越えられるとの楽観が広がった。
この日は商品株が上昇。S&P500種エネルギー株価指数は4日続伸と、ここ4カ月で最長の連続高だった。この日はニューヨーク原油先物が上昇した。銀行株も高い。ヒューレット・パッカード・エンタープライズは四半期決算が好感され、大幅上昇した。
S&P500種 株価指数は前日比0.3%高の1999.99。ダウ工業株30種平均は62.87ドル(0.4%)上げて17006.77ドル。8週間ぶりに17000ドルを上回って引けた。ナスダック総合指数は0.2%上昇した。
インベスコ・パワーシェアーズのシニア株式商品ストラテジスト、ニック・カリバス氏は「統計発表前にあれほど上昇していなければ、もっと強気な反応が見られただろう」と述べ、「市場にとっては建設的な内容だ。投資家はこれで成長の先行きに自信を持てるようになる」と続けた。
2月の米雇用者数は市場予想を上回る増加となったものの、賃金は予想外に減少した。
米労働省が4日発表した非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比24万2000人増。
前月は17万2000人増(速報値15万1000人増)に上方修正された。失業率は4.9%で前月から変わらず。
平均時給は月間ベースで約1年ぶりのマイナスとなった。
連邦公開市場委員会(FOMC)は今月15ー16日に会合を開く。金利先物市場の動向によれば、今月のFOMCで追加利上げが決定する確率は10%にも満たないが、年央までだと40%と、前日の35%から上昇した。12月の利上げ確率は68%と、前日の64%から上昇した。
アナリストの予想ではS&P500種採用企業の今四半期決算は8.6%減益となっている。HSBCホールディングスのストラテジストは前日遅くのリポートで、「企業利益が改善し始めない限り、株のような景気に敏感な資産が値上がりする余地は限られている」と指摘した。
シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX)は1%上昇し16.86と、4日ぶりに上昇した。S&P500種が1年10カ月ぶり安値を付けた2月11日以来、VIXはこれまで40%低下した。
S&P500種産業別10指数のうち7指数が上昇。素材株や公益事業株の上げが目立った。
◎米国債:下落、2月の雇用者数の伸びが市場予想上回る
4日の米国債相場は下落。10年債利回り は1カ月ぶり水準に上昇した。2月の雇用者数が堅調な伸びを示したことから、年内利上げの観測が再び広がった。
米労働省がこの日発表した2月の雇用統計では雇用者数の伸びが市場予想を上回った。ただ平均時給は前月比で減少した。債券市場におけるインフレ期待の指標は11営業日連続で上昇し、ブルームバーグがデータを取り始めた2006年以降で最長の連続上昇となった。この日は株式と原油相場が上昇した。
2月の雇用統計を受け、金融当局が年内に複数回の利上げを実施するとの見方が強まる可能性がある。インフレ期待は2月に、金融危機以来の低水準に落ち込んだが、その後は大きく上昇している。また今週発表された製造業のデータを受け、世界の成長鈍化の影響で米国が景気低迷に陥るとの懸念は後退した。
クレディ・アグリコルの債券戦略責任者、デービッド・キーブル氏は雇用統計について「良好な数字だという事実に異論を差し挟む余地はない。金融当局を利上げに近づける内容だ」と指摘。「6月利上げの公算は大きい。それより早まる可能性さえあるが、6月が最も有力だ」と分析した。
ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.88%と、終値ベースで2月3日以来の高水準。同年債(表面利率1.625%、2026年2月償還)価格は11/32下げて97 3/4。
金融政策に最も敏感な2年債の利回りは2bp上げて0.86%と、1月22日以来の高水準。
通常の5年債と同年限のインフレ連動債(TIPS)との利回り格差である5年ブレークイーブンレートは昨年7月31日以来の水準に上げた。
ブルームバーグがまとめた金利先物データによると、年内の利上げ確率は約67%。2月には一時11%にまで下げていた。
米労働省が4日発表した非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比24万2000人増。
ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値では2月の全雇用者は19万5000人の増加だった。前月は17万2000人増(速報値15万1000人増)に上方修正された。週平均労働時間は減少。失業率は4.9%で前月から変わらずだった。
DAデービッドソンの債券ストラテジスト、シャロン・スターク氏は雇用統計について「債券市場に対し、利上げの選択肢を排除し過ぎていた可能性があるとのシグナルを送っている」と述べた。
◎NY金:続伸、米平均時給の減少で-利上げ先送り観測が浮上
4日のニューヨーク金先物相場は続伸。2月の雇用統計で平均時給が約1年ぶりのマイナスとなったことが買い材料。株式相場は持ち直したものの、主要中央銀行による経済成長押し上げの取り組みで、他の投資資産の利回りが抑制されるとの見方が広がった。金相場は12月の安値からの戻しが20%を上回り、いわゆる「強気相場」に入った。
デンマークのダンスケ銀行のエコノミスト、イェンス・ペデルセン氏は「最近の上昇は、主に中央銀行の政策に関するリプライシングや見通し変更によるものだ」と指摘。欧州中央銀行(ECB)と日本銀行は追加緩和を実施する可能性があるほか、米金融当局は追加利上げを先送りするかもしれないと同氏は述べた。
ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物4月限は前日比1%高の1オンス=1270.70ドル。
ブルームバーグのデータによると、金スポット相場は前日比0.1%安の1オンス=1263.01ドル。
◎NY原油:大幅上昇、3週連続高-予想上回る雇用増を好感
4日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が大幅上昇。週間ベースでもプラスとなり、昨年5月以来最長の3週連続高。米雇用者数の伸びが予想を上回ったほか、国内の原油生産減少が好感された。
BNPパリバの商品市場戦略責任者、ハリー・チリンギリアン氏(ロンドン在勤)は「きょうの雇用統計発表を受けたリスク志向上昇の波に、原油市場も乗っている」と指摘。「米国での原油生産が減少するとの期待は価格にプラスに作用する」と続けた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物4月限は前日比1.35ドル(3.91%)高い1バレル=35.92ドルで終了。終値ベースで1月5日以来の高値。週間では9.6%の値上がり。ロンドンICEのブレント5月限は1.65ドル(4.5%)上げて38.72ドル。
◎欧州株:上昇、資源株が高い-米雇用者数が予想を上回る伸び
4日の欧州株式相場は上昇。2月の米雇用統計の発表項目で、市場予想を上回った雇用者数の伸びが好感された。中国が追加刺激策を講じるとの観測も押し上げ要因だった。
資源銘柄は6営業日続伸で、この日の上昇率は業種別19指数の中で首位。資源価格の上昇を背景に、英アングロ・アメリカンやスイスのグレンコアはいずれも11%強の上げとなった。原油値上がりを手掛かりにエネルギー銘柄は7営業日続伸した。
指標のストックス欧州600指数は前日比0.7%高の341.80で終了。2月の米雇用統計は賃金低下を示したものの、雇用者数が市場予想を上回る増加となり、同指数は1.3%高となった。その後に上げを解消したものの、終盤にかけてプラス圏に値を戻した。週間ベースでは昨年10月以降で最長となる3週続伸。2月11日に付けた安値からの上昇率は13%に達している。
ルツェルン州立銀行(スイス)のトレーダー、ベンノ・ガリカー氏は米雇用者数について、「米経済が引き続き成長していることを示しており、これが前向きなムードを取り戻すのに寄与するだろう」と指摘。「極めて良い内容で、出来過ぎかもしれない。あまりに良過ぎれば利上げ観測が再び浮上するが、今のところは発表された数値はポジティブで、市場に好意的に受け止められるはずだ」と語った。
米労働省によれば、2月の非農業部門雇用者数は前月比24万2000人増。
前月は17万2000人に上方修正された。失業率は4.9%で前月から変わらず。平均時給は月間ベースで約1年ぶりのマイナスとなった。
◎欧州債:軒並み下落-来週のECB措置めぐる懸念で
4日の欧州債ではユーロ参加国の国債が軒並み下落。欧州中央銀行(ECB)が来週の会合で決定する措置が市場の期待を下回るとの懸念が広がった。
ドイツ10年債利回りが週間ベースで1月半ば以来の上昇となったほか、年限の短い同国債利回りは前日付けた過去最低から上げに転じた。
この日発表された2月の米雇用者数が市場予想を上回る伸びとなったことを受け、欧州債は下げ幅を拡大した。
マーケット・ニュースの報道によれば、10日の定例政策委員会で緩和策を拡大するかECB当局者の間にコンセンサスはない。
これまではドラギ総裁率いる政策委が景気促進とデフレ回避を目的に、量的緩和拡大とマイナス預金金利の追加引き下げを決めるとの見方が広がっていた。
ウニクレディト(ミラノ)のシニア債券ストラテジスト、ルカ・カツラーニ氏は「ECBを控えた今、警戒感が高まっている」とし、「ECBの利下げをコンセンサスとして、短期債は引き続き下支えされている。
10年債の値動きは比較的荒い。現時点で非常に低い水準にある利回りを維持できるだけの追加緩和が打ち出されるかどうか、投資家の間に疑念が生じている」と語った。
BNPパリバとUBSグループは、ECBが来週決定する追加措置が期待を裏切る内容だった場合、中核国の国債利回りがさらに上昇する可能性があると指摘している。
ドラギ総裁が発表した措置が市場の期待に届かなかった昨年12月3日、ドイツ10年債は20ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇した。
ロンドン時間午後4時45分現在、ドイツ10年債利回りは前日比7bp上昇の0.24%。週間ベースでは9bp上昇と、1月15日終了週以降で初めて上昇した。同国債(表面利率0.5%、2026年2月償還)価格はこの日、0.67下げ102.59。
ブルームバーグ抜粋
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