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2月18日の海外株式・債券・為替・商品市場
2月18日の海外株式・債券・為替・商品市場
NY外為:ユーロが5日続落-ECBが刺激策拡大との観測で
18日のニューヨーク外国為替市場では、ユーロがドルに対し5営業日続落し、ここ10カ月で最長の連続安となった。米金融当局が次の利上げ時期について検討を進める中、欧州中央銀行(ECB)が3月の政策決定会合で刺激策を拡大し、米国との政策のかい離が広がるとの観測が強まった。
ユーロは主要通貨の大半に対して値下がり。この日公表されたECB政策委員会の1月会合の議事要旨によれば、政策委は世界的な成長減速のリスクが予防的な金融緩和策を正当化するかどうかを協議した。また朝方発表された米国の雇用市場や景況感の指標が、同国経済への信頼感を強める内容となったことも手掛かりにユーロは下落した。
CIBCワールド・マーケッツの外為戦略ディレクター、バイパン・ライ氏は「議事要旨は、ECBが3月に行動を起こす方向に傾きつつあることを市場にあらためて知らせる内容だ」とし、「ここ数週間に見られるユーロ高に対処するため、次回会合で追加刺激措置が必要になることを示している」と続けた。
ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは対ドルで前日比0.2%安の1ユーロ=1.1107ドル。対円では0.9%下げて1ユーロ=125円78銭。
トロント・ドミニオン銀行の北米為替戦略責任者、マーク・マコーミック氏は、景気刺激策を遂行する上で「ECBにはさらなる弾薬があることから、ユーロは下落が続く」と分析。向こう2カ月間に1ユーロ=1.08ドル程度に下げるとの見通しを示した。
この日発表された先週の米新規失業保険申請件数は前週比で予想外に減少し、3カ月ぶり低水準となった。2月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は市場予想を上回った。
ECB政策委員会は1月の会合で、世界的な成長減速のリスクが予防的な金融緩和策を正当化するかどうかを協議し、少なくとも1人のメンバーが、インフレ率が「限られた期間」ECBが目安とする水準を超えることの必要性を認めた。
三菱東京UFJ銀行のグローバル市場調査部門で欧州責任者を務めるデレク・ハルペニー氏(ロンドン在勤)は「ECBの政策会合が近づく中、当然出てくる疑問は、ECBが再びユーロ相場に影響を与えられるか否かということだ」と述べた。
◎米国株:4日ぶりに下落、銀行株など前日までのけん引役が失速
18日の米株式相場は反落。前日まで上昇をけん引していた銀行やハイテク、消費関連銘柄が勢いを失った。S&P500種株価指数は前日までに3日間としてはほぼ6カ月ぶりの大幅高となっていた。
通期の売上高見通しを下方修正したウォルマート・ストアーズは3%安。JPモルガン・チェースやシティグループなど銀行株は4日ぶりに下落した。原油相場が上げたにもかかわらず、エネルギー株は下落。一方、トルベン・ヘルス・アナリティクスを26億ドル(約3000億円)で買収することで合意したIBMは5%高。
S&P500種は前日比0.5%安の1917.83で終了。ダウ工業株30種平均は40.40ドル(0.3%)安の16413.43ドルで終えた。アップルのほか、グーグルの親会社アルファベットが下げ、ナスダック総合指数は1%下落。同指数は先週、弱気相場入りまであと1%未満に迫った後、前日までの3日間で6.3%戻していた。
スペクトラム・マネジメント・グループの共同創業者でマネジングプリンシパルのボブ・フィリップス氏は「米国はリセッション(景気後退)に向かっているわけではないが、成長の源がどこになるのか、業績がアナリストの予想に近い内容になるかどうかが懸念されている。第1四半期を終え、決算発表を見るまで、狭いレンジ内での取引になる可能性が高い」と指摘した。
S&P500種の年初からの滑り出しが過去最悪になった下落局面の後、最近は同じようなペースで反発。銀行やハイテク、小売株など最も売られていた銘柄がけん引役となり、年初来の下げの半分を前日までの3営業日で取り戻していたが、この日は勢いがなくなった。S&P500種はなお、昨年5月に付けた最高値を10%下回っており、年初からは6.2%下落している。
米金融政策当局者が景気について懸念を表明しているように、投資家は景気減速の兆候を見極めようと経済指標の精査に努めている。朝方発表された先週の米新規失業保険申請件数は前週比で予想外に減少し、3カ月ぶり低水準となった。1月の米景気先行指標総合指数は前月比で低下し、2カ月連続のマイナスとなった。
セントルイス連銀のブラード総裁は17日、最近の市場混乱で投資家のインフレ期待が一段と低下し、利上げを先送りする余地が生じたとの見解を示した。サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁は18日、最近の金融市場の混乱でも自身の米国と他国の成長見通しが変わっていないとした上で、米金融当局による緩やかな政策正常化を予想しているとあらためて述べた。
決算発表シーズンが終わりに近づきつつあるが、株式市場にとって安ど感にはほとんどつながっていない。S&P500種構成銘柄の約75%で利益が予想を上回ったが、売上高が予想を上回ったのは半分に満たない。アナリストの第4四半期利益予想は4.5%減。その後2四半期も減益が続くと予想されている。
この日はS&P500種の10セクターのうち、エネルギーやヘルスケアなど8セクターが下落した。一方、公益事業株は1.6%上昇し、ほぼ3週間ぶりの大幅高。通信サービスは1.1%高。
◎米国債:上昇、BNPやクレディ・スイスが利回り予想を下方修正
18日の米国債は上昇。10年債は1週間ぶりに上昇した。米国株の下げで、安全逃避先として米国債への買いが戻った。
BNPパリバが米国債利回り見通しを下方修正したほか、クレディ・スイス・グループは年初来で3度目となる同利回り予想を引き下げた。世界的なボラティリティの上昇で債券需要が高まっているほか、金融政策の見通しが不透明なことからアナリストの予測が困難な状況となっている。BNPやクレディ・スイスのほかバンク・オブ・アメリカ(BOA)、JPモルガン・チェース、ドイツ銀行、ゴールドマン・サックス・グループも年初から見通しを下方修正している。
クレディ・スイスのストラテジスト、プラビーン・コラパティ氏は「経済は広範にわたり不安定になってきた」と述べ、「昨年見られた米国経済のデータの弱さは一時的だと考えていた。今後もその弱さが続けば、利回りは一段と押し下げられるだろう」と続けた。
原油価格の下落や株式相場の落ち込みでトレーダーはインフレ予想を引き下げ、米金融当局による利上げ見通しを後退させている。米国債のリターンは年初来で2.6%となっている。
ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは前日比8ベーシスポイント(bp、 1b p=0.01%)低下して1.74%。同年債(表面利率1.625%、2026年2月償還)価格は23/32上げて98 30/32。
BNPは年末時点の10年債利回り予想を1.5%と、昨年11月時点の2.75%から引き下げた。クレディ・スイスは年末時点の10年債利回り予想を2%と、従来の2.45%から下方修正した。1月7日時点は2.95%、1月21日時点では2.85%を見込んでいた。
最新のコンセンサスでは10年債利回りは年末までに2.5%へ上昇すると予想されている。今年初めの同予想は2.75%だった。
金利先物市場は年内の利上げ確率を約38%として織り込んでいる。昨年末の時点では93%だった。
米サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁は米国の見通しは良好で金融政策当局はおおむね正常化の軌道にあると述べた上で、それを達成するのに予想以上の時間を要する可能性があると続けた。
米財務省が実施した30年物インフレ連動 債(TIPS)入札(発行額70億ドル)の結果によると、最高落札利回 りは1.12%。投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.11倍と、前回の2.62倍から 低下した。
◎NY金:続伸、安全逃避の買い-ETP通じた保有量が増加
18日のニューヨーク金先物相場は続伸。米国株が軟調な展開となる中、安全逃避先とされる金に買いが入った。ブルームバーグのデータによれば、金連動型上場取引型金融商品(ETP)を通じた金保有量は5日連続で増加した。
商品ブローカー、インフィニティ・トレーディングのフェイン・シェーファー社長は電話インタビューで、「米金融当局は株価の下落トレンドについて本当に懸念しているようであり、利上げに対して非常に慎重になっているようだ」と指摘。「それは金にとって好ましい」と述べた。
ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物4月限は前日比1.2%高の1オンス=1226.30ドルで終了。
銀先物も上昇。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のプラチナとパラジウムは下落した。
◎NY原油:小幅続伸、在庫増で伸び悩む-31ドル下回って終了
18日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)が小幅続伸。米国の原油在庫が86年ぶりの高水準となったため、朝方の上昇分をほぼ失い、1バレル=31ドルを割り込んで終えた。
米エネルギー情報局によると、原油在庫は前週比215万バレル増加し5億410万バレル。輸入は昨年4月以来の大幅な伸びを示した。サウジアラビアとロシアが提案した生産維持計画をイランが慎重ながら支持したことから、朝方は堅調だった。
シティ・フューチャーズ・パースペクティブ(ニューヨーク)のエネルギーアナリスト、ティム・エバンス氏は「米国では十分な原油在庫があるが、なお積み増している状況だ。在庫増の主な原因は、前週の低い水準から輸入が回復したことだ」と指摘した。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物3月限は前日比11セント高い1バレル=30.77ドルで終了。終値ベースで5日以来の高値となった。一時は4.3%上昇し31.98ドルを付けた。
◎欧州株:ほぼ変わらず、上げ消す展開-銀行とエネルギー株が安い
18日の欧州株式相場は前日からほぼ変わらず。景気循環株が売られ、指標のストックス欧州600指数は一時の上げを消す展開となった。
銀行と鉱業、エネルギー銘柄の下げが目立った。前週の米原油在庫が86年ぶり高水準となったことを受けて、原油相場が下落したことが背景。
ストックス600指数は前日比0.1%未満高の328.91で終了。一時は1%上げ、0.6%下げる場面もあった。ユーロ圏の株価下落に備えるオプションの価格を反映するVストックス指数は5営業日ぶりに上昇した。
世界景気への懸念や原油値下がり、銀行株急落、中央銀行の対応への信頼後退などの多数の要因で、同指数は今年に入ってから2013年安値まで売り込まれる展開となっていた。前日の鉱業株の値上がりなどで、それ以降8%余り戻している。
バンク・ジュリアス・グループで調査責任者を務めるクリスチャン・ガティカー氏は、「連日2%上昇することはない」とし、「向こう数週間にやや回復するだろうが、まだわからない。銀行株を買い戻すのは時期尚早だ」と語った。
今年に入ってからの売り浴びせで銀行株が最も下げ、先週は3年ぶりの安値まで沈んだ。イタリアの銀行の不良債権や、低金利環境が利益に及ぼす影響、ドイツ銀行の信用力への懸念が広がった。この日はイタリアのモンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナとウニクレディト、スペインのカイシャバンクが大きく下げた。
英アングロ・アメリカンと英豪系リオ・ティントを中心に鉱業株も値下がり。前日は8.1%上昇で強気相場入りし、年初来の下げを消していた。英タローオイルが11%急落するなど、エネルギー銘柄も安い。
個別銘柄では、スイスの食品メーカー、ネスレが3.7%下げた。2016年売上高が長期目標に届かないとの見通しが売り材料。
◎欧州債:スペイン国債が続伸、順調な入札で-ECBへの期待強い
18日の欧州債市場ではスペイン国債が続伸。同国は37億ユーロ相当の国債を発行した。欧州中央銀行(ECB)が緩和策を拡大するとの期待が根強い。
ポルトガル国債も値上がりした。ECBがこの日公表した1月会合の議事要旨で、世界的な成長減速のリスクが予防的な金融緩和策を正当化するかどうかを協議したことが明らかになった。株式相場と原油相場が一時の上げを消したことを背景に、ドイツ国債も買われた。
クレディ・アグリコルCIBの債券ストラテジスト、オーランド・グリーン氏は、「ユーロ参加国の国債利回りはECBの措置に対する市場の期待を反映している」と発言。ドイツ国債の上昇は「株安が要因のようだ」と続けた。
ロンドン時間午後5時現在、スペイン10年債利回りは前日比4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.70%。11日は1カ月ぶり高水準となる1.85%だった。同国債(表面利率2.15%、2025年10月償還)価格はこの日、0.315上げ103.97となった。
ポルトガル10年債利回りは8bp下げて3.40%。ドイツ10年債利回りは5bp低下し0.22%となった。
ブルームバーグ抜粋
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