ないじゃんさんのブログ
借金は人間関係を壊す(その2)
その1よりもずっと以前のお話です(長文になりますがお許しください)。20代の頃、私の職場にはいろいろな人が出入りしていました。某乳酸菌飲料を届けてくれていたBさんもその一人。Bさんは私よりも4~5歳下の女性で、毎日、彼女と私は楽しく世間話を交わしていました。
当時、この仕事は生活のために始めたという人が多く、Bさんも家庭持ちだという話は聞いていましたが、背が小さく、なんとなく薄幸そうに見える彼女を見ているうちに、当時独身だった私は、彼女を一人の女性として見るようになっていました。
1年ほどしたある日、彼女から突然、「ないじゃんさん、ちょっと相談したいことがあるの」とささやかれました。「もしご迷惑でなければ、この近くの喫茶店に来てほしいの」。もともとスケベ心のあった私はすぐにOKし、昼休みの時間に待ち合わせ場所の喫茶店に向かいました。
待っていた彼女は顔面蒼白でした。「どうしたの?」と聞くと、「実は、関東にいる私の母親が病気で入院したんだけど、お金がない」というのです。旦那はいるものの稼ぎが薄く、子どももいて当座の入院費の工面がつかないため、私に30万円貸してほしいというのです。
当時の私は迷いませんでした。涙を流して懇願するBさんに、数日後、30万円を渡してしまったのです。借用書は書いてくれましたが、今から考えるとメモみたいなものでした。そのときは月に、少なくとも3万円ずつ返していくという約束でした。
翌月、彼女は3万円を返してくれました。ところがその次の月から、母親のところに行って看病しなければならないとか、なんだかんだ理由をつけて、私と会うのを避けるようになってきました。そのうち乳酸菌飲料の仕事も辞めてしまい、私はさすがにおかしいと思って彼女を呼び出しました。
彼女は「今は持ち合わせがないから、もう少し待って」というばかりでしたが、そんなことを2、3回繰り返したある日、いつものように喫茶店に呼び出した私に対して、彼女は会うなり、「しばらく電話をしてこないでほしい」と言ってきたのです。
「この前から何回か呼び出され、うちの旦那が浮気でもしてるんじゃないかと怪しんでいる。来月には必ず払うから、それまでそっとしておいて」というものでした。別に怪しまれるような関係ではないにせよ、家庭のトラブルに巻き込まれるのはイヤだったので、その場はおとなしく退散しました。
しかし、翌月も彼女から連絡はなく、電話をしても、「旦那が聞いているから切る。しつこくかけてこられると家庭のトラブルになるからやめて」と言うばかり。「金を借りて返さないのにはそっちだろうが!」と言う間もなく電話を切られ、その後も埒があきませんでした。
もう、旦那に誤解されてもいいから彼女の家に乗り込まねば、と思っていた矢先、私は交通事故に遭い、瀕死の重傷を負ってしまいました。病室のベッドで私は考えました。「このまま貸した金にこだわっても、返ってくる可能性は低い。事故は、もう諦めなさいという神様からの啓示かも」
当時の私にとって30万円は大金でした(今でも大金です)が、私は諦めることにしました。後で彼女の職場の人に聞いた話ですが、同僚に借金しているといった話はなかったものの、人柄の面ではあまり良く思われていなかったようです。
すべての原因は私の無知とスケベ心にありますが、今では彼女も50歳近くなり、子どもも30歳を過ぎているはずです。もし叶うなら、子どもに「お前の母親はこんなことをした」って言ってやりたいです(われながら鬼ですなあ・・・)。
風車の弥吉さん、こんばんは。はじめまして。
そうですね。詐欺師は、言ってみればサギのプロなわけですから、手が込んでます。私みたいにスケベ心を持って近づくような男はいいカモなのかもしれません。